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ゴルフに18ホールは必要?ジャック・ニクラウスも提唱する“イージーな”ゴルフを考える

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ゴルフコースは、どうして18ホールなのでしょうか?一般的にささやかれる説としては、

『ゴルフ発祥の地とされるスコットランドで、あるゴルファーがスコッチウイスキーをボトルに入れて1ホールごとに体を温めながらプレーしていました。そして18番ホールのグリーンを終えたところでボトルが空になったため、プレーをそこで止めた』

というお話です。それまではゴルフ場によってまちまちだったホール数ですが、これ以降18ホールが一般的となったので、これが18ホールに統一された起源だというものです。

ゴルフをされる方なら一度は聞いたことがある説ではないでしょうか?ばかばかしいと思いながらも「寒く、風の強いリンクスコースで・・・」などと言われると、「なるほどそうかも」と思ってしまうものです。

また、別の説としては、ゴルフの聖地と呼ばれるスコットランドのセントアンドリュースの「オールドコース」が、長い歴史の中でホール数の増減を繰り返したのち、18ホールで落ち着いたため、それが世界基準になったという話もあります。

世界で最も古いコースとされ、全英オープンが開催される名門コースですから、最初の説は眉唾ものですが、こちらの説は・・いうところでしょうか。

さて、そんな18ホールの由来を確認したところで、本題です。

「ゴルフのプレーに18ホールは必要なのでしょうか?」

実は現在、ゴルフの新しいプレースタイルが世界で提唱されているのです。様々な現代のゴルフの問題点を取り上げるとともに、その理由の意味を探ってみましょう。

プレー時間が長すぎる

World Golf Championships-Cadillac Championship - Final Round

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一般的に楽しむスポーツには、サッカーやバスケットボールのように試合時間が設定されているスポーツと、野球やテニス、ゴルフのように時間制限のないスポーツがあります。時間制限がないと試合時間が長くなる傾向にありますが、例えばプロの試合で比較すると、野球が平均3時間程度、テニスで2時間半~3時間程度になります。

対してゴルフは、プロでもおおよそ1ラウンドで4時間です。そして特徴的なのは、アマチュアになるとたいてい試合(競技)時間が短くなりますが、ゴルフの場合は違うということです。

コース自体が混んでいる場合も多いのでどうしようもないのですが、ハーフで2時間半はザラでしょう。さらに、ほとんどのゴルフ場ではハーフで休憩時間を設けますので、プレー開始から終了までに6時間近くかかることになります。

もちろんゴルフ以外にもプレー時間の長いスポーツはありますが、それでも一般的に普及しているスポーツの中では、かなり長いことには違いありません。自然を感じながらゆったりと過ごすのは楽しい時間ではありますが、こんなに長い必要はあるのでしょうか?

プレー代が高すぎる

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18ホールもあるゴルフ場は、広大な敷地を維持する必要があります。それに比べて受け入れられるプレーヤーの数は限られていますので、必然的にプレー代が高額になります。

ゴルフのプレー代が高いのは、他のスポーツと比較しても明らかです。沢山ゴルフを楽しみたくても、料金がネックになってプレー回数を減らさなければならないのは、もったいなくはないでしょうか?

体力的に難しい

PGA TOUR - 2007 Arnold Palmer Invitational - Third Round

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ゴルフは幅広い年齢で楽しめるスポーツではありますが、ゴルファーの高齢化とともに18ホールを回りきれない方も多くなっています。

近年はカートを使ってのプレーが主流となっていますが、それでも18ホールプレーすることが困難な方が多くいらっしゃいます。しかし、決して全くゴルフが出来ないわけではないので、出来るだけ仲間と楽しみたいと思っているのです。

途中でリタイアしてしまうとスコアを数えていても面白くありませんし、何よりラウンドを完結できなかったことへの後悔が生まれます。これもすべて“18ホール・6時間”という長距離・長時間のプレーをしなければならないことの弊害です。

あなたの周りにも、途中でいつもリタイアするご友人はいませんか?

技術的に難しい

初心者の頃を思い出してみると、ボールに当てるのが精いっぱいで、クラブを振り回してはいなかったでしょうか?すぐにコースデビューとはいかず、練習場である程度打てるようになってからでないと周りのプレーヤーに迷惑が掛かり、失礼だと言われたものです。

しかもコースデビューが叶っても、問題は続きます。パター練習をしたことがない方もいらっしゃるので、グリーン上でいつまでも往復してしまう初心者さんが多く発生します。

実はグリーン上こそゴルフの難しさが出る場面で、あの小さなカップ(穴)に入れるのは、技術を要するのです。こうした点が、初心者がコースを躊躇する理由のひとつでしょう。

ジャック・ニクラウスが提唱すること

U.S. Open - Preview Day 2

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アメリカをはじめとする海外でも、同じような問題は起きています。ゴルファー人口の拡大はゴルフ業界の大きな課題であるのにもかかわらず、それを妨げる要素が「長い」「高い」「難しい」なのです。

そうしたゴルフの環境を打破しようと、数年前からゴルフ界の帝王と呼ばれるジャック・ニクラウスが提唱しているのが、プレーするホール数の削減です。

例えば3ホール、6ホール単位でのプレーを可能にし、初心者や、年配ゴルファーでも気軽にゴルフが楽しめるようにするという試みです。ニクラウス氏も、アマチュアが楽しむには12ホール程度が適当なホール数ではないかと言っています。

こうした運動に応え、一部のアメリカのゴルフクラブではスコアカードも専用に作成し、すでに実施されています。もちろん料金も3ホール、6ホールごとの清算が可能なため、1回のプレー代の価格を抑えることもできるのです。

これはゴルフの「長い」「高い」問題を解決する、簡単で画期的な良い方法ではないでしょうか。

これ以外にも、カップ(穴)の直径を広げることや、ティーグランドを前に持っていくことで、上級者と初心者とで飛距離の差があっても、一緒にゴルフをもっと簡単に楽しめるようにとの配慮をすることも推奨しています。これによって、「難しい」にも対応することが出来ます。

ゴルフの現状に危機感を抱いている帝王の発言は、まさにゴルフの問題点を解決する方法として注目されました。こうした活動はさらに広がり、最近、元世界ランキング1位のリー・ウエストウッドも同様の発言をしています。

ゴルフの現状を憂い、裾野を広げる必要性を感じているのは、日本だけではないのです。では、その日本ではどうなのでしょうか?

PGA会長・倉本昌弘氏の思い

Senior PGA Championship presented by KitchenAid - Round Two

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輝かしい戦績を持つ倉本昌弘選手が、現役選手として初の日本プロゴルフ協会(PGA)の会長に就任したのが2014年です。米ツアーに挑戦した経験から米ツアーの運営や経営を学び、日本ではJGTO発足の立役者としても知られています。

超一流のプロゴルファーでありながら、経営者・実業家としての側面も持つ異色の存在です。そんな倉本会長が掲げるマニフェストの中に、「底辺拡大事業の推進」という項目があります。これはまさにジャック・ニクラウスやリー・ウエストウッドが提唱している内容と合致するものです。

マニフェストの実施に向けて、倉本氏も「3ホール、6ホール等のゴルフプレーの推進」を述べています。倉本会長自身も、こうした海外の声は敏感に察知しているのです。

コースレイアウトの設計上、クラブハウスが遠いなどの理由で実施が難しいゴルフ場もありますが、こうした試みに賛同してくれるゴルフ場が増えれば、日本でも「ゴルフは一日がかり」という考えが変わるかもしれませんね。

競技ルールとしての18ホールは残しつつ、GOLFというゲームを“簡単”に楽しむための方法を、様々な人々が模索していることがお分かりいただけたと思います。ゴルファーの声が高まれば、さらにこうした運動は加速するでしょう。私たちも、「ゴルフに18ホールは必要なのか?」考えてみてはいかがでしょうか。

おわりに

先日、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の新会長に就任した青木功プロを、倉本会長が表敬訪問したとのニュースがありました。

今後、レジェンドのおふたりが日本のゴルフ界をどのように変えていってくれるのか、期待したいですね。

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