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ピンフラッグは両刃の剣/ワンランクアップするゴルフの裏技

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ピンフラッグは、グリーンの位置やホールカップの位置をゴルファーに伝えるためのものです。

グリーン上にあるボールをプレーする場合はピンフラッグに当たるとペナルティーになるので、ピンフラッグは抜いてパッティングをします。セルフプレーが当たり前になった現在、ピンの抜き差しや取り扱いについて無知な人が増えて問題になっています。

遠くからでも見えるように作られたピンフラッグだからこそ、扱っている姿も想像以上に目立つものです。スコアがどんなに良くとも、ピンフラッグの扱いでゴルファー失格の烙印を押されてしまうこともあるのです。知ってさえいれば誰でも簡単に実行できることばかりなので、ピンフラッグについて意識してみましょう。

どうしてピンと呼ぶの?

U.S. Open - Preview Day 1

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便宜上「ピンフラッグ」と書いていますが、通称は「ピン」と呼びます。

日本語版のゴルフ規則では「旗竿」、正式には「Flagstick」といいます。「フラッグスティックはどこですか?」というように使っても、正しい用語でもわからないゴルファーのほうが多いと思われます。このままピンフラッグとして話を進めましょう。

元々は目印のために棒を立てたのだと考えられています。徐々にボールが飛ぶようになって、ホールの距離は伸びていきました。棒だけでは見えづらいので、わかりやすいように旗をつけたのでしょう。

しかし、スコットランドのリンクスには強風がつきものです。全英オープンで時々見ますけど、ピンフラッグがしなってしまうほどの強風です。旗はすぐに飛んでいってしまったのでしょう。なにか適当なものはないかと探して、棒の先に編んだカゴをつけるようにしたコースがあったのです。

棒の上にカゴがついて立っている様子が、裁縫で使う仮止め用のまち針に似ていたことから(丸い頭のまち針を“Berry Pin”といいます)、「ピン」と呼ぶようになったのです。

現在でも一部のコースでは、昔ながらのカゴがついたピンフラッグを使用しています。

Golf - putting on the green

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現在では旗がついたピンフラッグが主流ですが、竿の部分の長さは色々あります。風が強い地方では、大人の男性より短いものが使用されていますし、山岳コースでは高い位置にあるグリーンを見上げても見えるように長めのピンフラッグが使われることもあります。

原則として8フィート(約2.4m)のピンフラッグが普及していますが、ゴルフ規則では円形であることと、当たったボールに影響する目的の吸収材などの使用を禁止しているだけで、旗がついていなくとも良いことになっています。

ピンフラッグは両刃の剣

Greenskeeper setting the pin

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ピンの抜き差しには、細心の注意が必要です。特に風が吹いているときや、複数のクラブを手に持っているときは注意します。

カップの縁は、芝生と土混じりの砂でできているからです。指で押しても簡単に崩れてしまいます。ピンフラッグを当ててしまえば、その跡が残って縁が崩れます。酷い場合は、ホールカップが大きくなってしまうのです。

ピンフラッグの抜き差しは、ゆっくりと慎重にすべきなのです。慎重にしている動作は、遠くから見ているゴルファーにも『コースを大切にしている』という印象を残します。

グリーン上で、細い直線状に色が変わってしまっている跡を見たことはありませんか?これはピンフラッグの端を引きずってしまったか、グリーン上に置いたピンフラッグを踏んでしまったことが原因の傷跡です。

その場ではわからないかもしれませんが、ほんの少しの接触でも翌日からあっという間に枯れて傷となります。完全に元通りになるには、季節にもよりますが数週間かかります。

ゴルファーのために整備されたグリーンは良いグリーンほど痛みやすいので、いたわりが不可欠です。抜いたピンフラッグはできるだけグリーンに触れないように注意して、置くときもグリーンの外に置くようにしましょう。

やむを得ずグリーン上に置くときは、遠くから見ていてもわかるくらいにゆっくり優しく置きましょう。軽く放り投げる人がいますが、言語道断です。当たり方が悪ければ、グリーンに傷跡が残ります。

これにはコツがあります。グリーンの外であればピンフラッグを置くときに音がしてもセーフですが、グリーン上に置くときは音がしないようにすることです。

やってみるとわかりますが、少しでも投げると警告音のようにピンフラッグは『バタ!』というような音を立てます。これは100ヤードくらいの距離なら聞こえるほど大きな音なのです。

意識していない人はわかりませんが、ピンフラッグとグリーンの悲鳴に聞こえる不愉快な音です。この音の話をして、わからない人はほぼ例外なく音を撒き散らしていますので、注意してください。

ピンフラッグは多弁です。ゴルフコースを保護する気持ちは、コースを共有している限り持っていなければならないエチケットの根幹です。一昔前まで、キャディーさんに全てをお任せして偉そうにしていたベテランゴルファーも、ピンフラッグの扱いを知らないということがよくありますので、悪い例として真似しないようにしましょう。

Golfer lines up putt

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ピンフラッグを持っているシーンです。この画像の場合、二つの危険な行為をしてしまっています。

一つは、旗を上にして持っていることです。打ち上げのホールなどでグリーン上がよく見えないときに旗が高く掲げられると、それを見てグリーンが空いたと勘違いして打ち込まれてしまうことがあるからです。

ピンフラッグは、戻す直前まで旗があるほうを抑えるように持つか、下にするようにしましょう。風などで旗が動くとパットをしている人の気が散るので、そういう配慮にもなって一石二鳥なのです。

もう一つは、ピンフラッグの端をグリーンに付けていることです。なにかの拍子にそのまま横に動かせば、簡単にグリーンに傷を付けてしまいます。ギリギリの危険を冒す必要はないのです。ピンフラッグはできる限りグリーンに触れないように注意しましょう。

遠くからでもピンを持っている姿が見える場合は、その所作でゴルファーとしてのレベルをテストされていると考えましょう。常に合格するのが当たり前なのは辛いところですけど、こういう部分からゴルファーの信頼というのは生まれていくことを理解しましょう。

斜め戻しは無知の証明

18 番グリーン

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置いてあるピンフラッグを戻すのは、原則として一番最初にホールアウトしたゴルファーの役目です。

全員がホールアウトしたら、ピンフラッグをホールカップに戻します。このときに注意したいのは、ピンフラッグを斜めにして戻さないことです。

ピンフラッグは長いので、持ちやすい高さで操作しようと斜めにしてホールカップに戻し入れる人がいますが、これはカップの縁を破損させる原因になっているのです。斜めではなく、できるだけ垂直にしてピンフラッグをホールカップに戻すようにしましょう。

グリーンも、ホールカップも、自分たちがプレーし終わったら用済みなんてわがままは通じません。後ろから回ってくる全てのゴルファーに迷惑をかける可能性があることに挑戦するのは、馬鹿らしい愚行です。

後ろの組の人のために面倒でも丁寧に行動することは、最終的には巡り巡って、自分にプラスになって戻ってくるのです。きれいなグリーンで気持ち良くプレーできるのは、その前をプレーしていたゴルファーたちがいたわりの心掛けでグリーンを使用してくれたからです。

わかりやすい例でいえば、公衆トイレを考えて見れば良いと思います。きれいに使えば、次の人も気分良く使用できます。汚して使う人の後に使用するのは、誰も嫌なものです。

ゴルフコースは個室ではないので、使用中を見られていることを忘れてはいけません。グリーン上でのピンフラッグを扱う様子は、思っている以上に厳しく観察されているのです。

真っ直ぐにピンフラッグを戻すようにするなんていうことは、慣れてしまえば簡単なことです。焦る必要はありません。慎重にゆっくりした動作で良いのです。

Flag with a lake and sand trap

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長々と書きましたが、まとめれば簡単なことばかりです。

ピンフラッグの抜き差しは慎重に、できるだけ垂直に動かす。置くのはできるだけ外に、グリーンをいたわる動作を心掛ける。持つときにも旗のあるほうを上にせず、旗を抑えるようにする。

ちゃんとできているという自信は、確実にゴルフにおいてプラスになります。これを習慣にしてしまえば、ゴルフをより楽しくすることができます。

ピンフラッグは多弁です。ダメであることを容赦なく拡散しますけど、良い所作ができることも広めてくれます。ゴルフをまた一緒にしたいと思われるゴルファーになるのは案外と簡単なのです。

レベルが高いゴルファー同士は、言葉を交わさなくとも所作を見てお互いを確認できます。短時間で上級者になるのは困難ですが、“上級ゴルファー”にはすぐになることができます。

 

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