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50周年という区切りはゴルフフェアの終わりの始まりか?/ゴルフの最前線から情報発信!

「大阪や名古屋などの都市でも開催して欲しいですね」
ジャパンゴルフフェア会場でSNSに画像をアップしたら、こんなコメントをもらった。日本中で開催して欲しいという願いは、そのイベントに魅力があると解釈もできる。

初日の会場は平日の金曜日で、10時の開場の前にもかかわらず入場者用の受付に100人を越える列ができていた。イベントの成功の基本は人が集まることだという考え方がある。だとすれば、今年も昨年に続いて大成功ということになるのかもしれない。(昨年の入場者数は過去2番目に多い54,081名)

昨年も、初日にこの行列を観察していたが、昨年とは様子が少し違うように見えた。

老若男女、誰でも来いという宿命

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ゴルフは男女にかかわらず、子供から大人まで楽しめるというかなり珍しい特徴を持っている。

国民的なスポーツである野球にしても、サッカーにしても、プレーヤーは若者が主役であり、高齢になればなるほどプレーする人口は減っていくし、女性のプレーヤーは極めて少数しかいなくなる。しかし、ゴルフはおじいちゃんとおばあちゃん、親と孫であるその子供と三代で一緒に楽しむことができる。21世紀になった日本国内では、それは普通の風景になりつつある。

ジャパンゴルフフェアは、時代の流れで変わりつつあるとはいってもゴルフ用具関係のイベントである。大手メーカーのブースを回って最初に感じたのは、家族で来場する人がいることは想定していない、ということだった。

一昨年、昨年とその傾向はあった。ジュニアゴルファーを増やせという命題は既にクリアしたという業界の重鎮は少なくないし、ジュニア関連にかんしては、儲けなしに提供するような風潮に嫌気がさしたという本音も耳にする。

メインターゲットに向けた製品だけを並べたい事情は理解できる。以前に比べれば、全体的にブースの面積は小さくなっている。限りある中で、最も効果的に訴求していくのを間違いと言い切れない。

しかし現在のジャパンゴルフフェアは、すべてのゴルファーに向けてのイベントである。家族で来場したくなるような考え方を完全に無視してしまうのは、もったいないような気がする。同様に、女性用の用具もあまり出品されていない。

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改めて、初日の金曜日の午前中の会場内を見渡してみる。子供は見かけないが、女性はそれなりに来場しているようだ。それよりも目立ったのは、高齢の男性である。毎年一定の割合で来場しているが、今年は特に多いように見えた。

彼女たち、彼らのための用意ができているブースは少ない。それでも、ノベルティをもらうための列には積極的に並んでいる姿を見ると、そういう時間の過ごし方もイベントの楽しみなのだろう。

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昨年に続いて、目立って増えたように感じたのは、外国からのお客様だ。

ジャパンゴルフフェアはアジア最大級のゴルフショーであるのだから、中国や韓国からの来場者は当たり前である。余計なお世話かもしれないけど、大手のメーカーのブースには彼らを見越した説明や通訳は見当たらない。

面白いのは、小さなブースでたくさんの来場者に訴求したいと熱意を感じる小さなメーカーだ。中国語や韓国語の説明や通訳がいるブースもあった。遠目に見ていても、こういう熱意は伝わる。ブース内からはみ出て、通路まで人で溢れている光景は頼もしかった。

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ファッションショーがあったり、チャリティーセールがあったりして女性の来場者への考慮はしているということなのだろうけど、“ゴルファーな家族になろう”というようなコンセプトを、主催者だけでなく大きなメーカーなどとも共有して盛り上げないと、誰のためのイベントなのかという根本が、いつまでも中途半端なままになりそうだ。

出展しない選択を後悔させろ

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ほとんどのメーカーが、展示している新製品は発売直前か、発売中である。一昔前までは、各メーカーが新製品を足並み揃えて発表、発売していたので、この2月というジャパンゴルフフェアの時期的なタイミングはちょうど良かったのであるが、現在ではシーズンオフとなる秋から年末にかけて新製品を発表するメーカーが増えたので、2月という時期にはあまり意味がなくなってきている。

受付で配られるパンフレットを開いて、出展メーカーを確認するのは多くの人がすることだ。お目当てのブースはどこにあるかと探すわけである。

テーラーメイド(アディダス)、タイトリスト(フットジョイ)、ナイキ、ホンマ、ヤマハ、プロギア……出展していないメーカーの多さが目立つようになったのも、最近の傾向である。

それぞれに事情はある。苦渋の決断だったのかもしれない。ノベルティや新製品を配って、人を集めれば良いだけの品のないイベントに成り下がっているという批判もある。そういう側面があったことは事実だと思う。大きなメーカーが出展しない異常事態は、この数年続いている。

誰のためのイベントなのか?

ジャパンゴルフフェアは、50周年を機に大きく変わることを望まれている。出展しなかったことをメーカーに後悔させるようなジャパンゴルフフェアに生まれ変わることを心から祈っている。

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今回の出展メーカーでも面白い挑戦をしているところもあって、可能性を大いに感じさせた。単に並ばせて物を配るのではなく、実際に製品を体感させて、その結果で賞品を渡すという方法は参加型イベントしての一つの形である。

知らないからを言わせない

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あまり知られていないけど、ジャパンゴルフフェアでは期間中にたくさんのセミナーが行われている。無料のものあるが、多くが有料のものだ。人気のあるものは、事前に登録しなければ傍聴できない。

専門的なものは別として、一般のゴルファーなら誰もが受けてみたいと思うようなセミナーを開催しているのに、ほとんどの来場者は知らないのである。本当にもったいない。事前の告知をもっと強化するだけで、状況は劇的に変わる。“セミナーを受けるためにジャパンゴルフフェアに行く”というくらいの魅力あるものになる可能性はある。

知らなければ、どんなに良いセミナーでもないのと同じである。関係者だけで席の大半を埋める余計な努力ではなく、告知の努力をして参加しやすい環境を作るほうが、来場者も主催者も楽なのではないだろうか。あらゆる方法を駆使して、告知活動を活発にするのが急務である。

冒頭の話に戻るが、地方でも開催して欲しいと要望があることは一見すると嬉しいことのようだが、裏を返せば、交通費を使ってまで参加したいイベントにはなっていないということである。

来年のジャパンゴルフフェアは場所をパシフィコ横浜に移し、日程も3/24(金)~3/26(日)になる。51回目から行かなくてはもったいないと思うイベントになったとか、将来、振り返ったときにいわれるような転機として欲しい。

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