荒れた芝面では、スティンガーショット!?「攻めのゴルフショット」習得法
- 2015.12.10
- 技術向上
強い日差しの後遺症で芝が枯れたベアグランド、多くのゴルファーがターフを抜いて芝面はデコボコ。そんな荒れたコンディションでも、グリーンを狙えるショット法があります。
今回は、練習を重ねて習得しておけばアンラッキーなときでも攻めのゴルフができる便利なショットについてご紹介します。
簡単に習得できるパンチショット
荒れてデコボコになった芝面やターフが抜けた跡にボールが落ちたときは、地面に向かって打ちこむしかありません。バンカーで目玉になったボールを、砂ごと叩きだすように強く打ち込むことになります。
そんな強烈なショットを称して「パンチ・ショット」と言いますが、海外では強いダウンブローを意識して「ノックダウン・ショット」と言われています。
パンチショットの打ち方は、とても簡単です。振り幅を小さくしてフェイスの芯でとらえるように心がけます。フィニッシュをとる必要がないので、インパクトに集中することができます。
ボールの位置を右足寄りにして、あとはボールを上から潰すように打ちこむだけです。インパクトのイメージはボールの側面や真下に打ち込まず、ボールの左サイドの芝に打ち込むようにします。
打ち出したボールには極端なバックスピンがかかるので、吹け上がりに注意しながら低い弾道を意識します。また、バックスピンによってラン(転がり)がないので、クラブを選択するときは通常よりもワンクラブ以上大きめにするとよいと思います。
あと、グリップ(握り)はハンドファーストにしたほうがボールを捉えやすいはずです。ボールよりも左手の甲を前(飛球線側)に出すのがハンドファーストです。
パンチショットのときはボールを右寄りに置いているので、ハンドファーストにすると楽にフェイスをあわせることができます。
いま流行りのショットとは?
一見すると万能とも思えるパンチショットですが、プロゴルファーが使っているところを見ることは稀です。
いくつか理由はありますが、そのひとつに荒れた芝面は水枯れで地面が硬くなっていることが多く、強いダウンブローで地面に打ちこむことで左手の手首やヒジを傷める可能性があるからです。たしかにプロは毎日プレイをしていますから、なるべく故障するリスクが少ないスイングを選ぶのは当然かもしれません。
実はプロがパンチショットを使わないのには、もうひとつ理由があります。パンチショットよりも、もう少し幅広く使える「スティンガーショット」を使っているプロが多くなっているからです。
スティンガーショットと言えばタイガー・ウッズの代名詞みたいなものですが、いまではアマチュアゴルファーも多用する便利なショットです。スティンガーショットは荒れた芝面からのショットだけではなく、フェアウェイからバックスピンの効いたアプローチなどにも多用されています。
武士が刀を腰だめに構えるようなフィニッシュ?
スティンガーショットの打ち方も簡単ですが、普段のスイングと違いますので、ある程度の練習が必要です。また、距離感や方向性を習得するまでには時間がかかりますので、まずは練習場で球数を打って、自信をつけてから実践で使うようにしましょう。
ボールはドライバーショットの位置(左足内側のくるぶしの延長線)に置きます。ヘッドの抜けが良くなるようにクラブは短め(グリップラバーの中央部)に握り、グリップ(握り)はハンドファーストで3時-9時の幅でスイングします。
スティンガーショットのコツは、最初から最後までノーコックを意識することです。ハンドファーストで左腕とシャフトが一直線になるように構え、その型を崩さないようにボディターンで打ちます。
振り幅が狭いボディターンは、インパクトでグリップエンドが自分の中心軸を指すように振ります。フィニッシュまでコックを返さないようにするために左ヒジを外側に逃がすような、武士が刀を腰だめに構えたような形をとります。
来シーズンに向けて練習しましょう
文章では分かり難いスティンガーショットですが、ネットで動画を見ると余計に混乱するかもしれません。スティンガーショットはたくさんの打法があって、一概に「この打ち方が正しいスティンガーショット」とはならないからです。
ネットで「スティンガーショット」検索すると、片山晋吾プロや丸山茂樹プロの動画を見ることができますが、見ていると「高度なショット」と思うかもしれません。もし動画を参考にするなら、女子プロのアプローチショットがおすすめです。
多くの女子プロは、ボールをクリーンに捉えます。パンチショットのように強く打ち込まないのでヘッドの抵抗が少なくなり、アマチュアゴルファーでもボールコントロールがしやすいと思います。
通常よりも狭いスタンスをとり、短めにグリップしてハンドファーストに構え、ボールは左足寄りでパンチショットのように右側に置く必要はありません。
練習の最初のころは、ハーフトップしたりバックスピンで吹け上がったりますが、徐々にボールをとらえることができるようになります。
左軸で腰と肩をしっかりねじり、ノーコックを意識して練習していると低い球筋が出るようになり、いずれは思い通りのショットが打てるようになるはずです。
スティンガーショットは練習してすぐに身につくものではないので、まずはパンチショットを習得して、次にスティンガーショットの練習を重ねておけば、荒れたコースコンディションにも対応できるようになるはずです。
来シーズンに向けて、今から練習してみてはいかがでしょう。