ドライバーだけじゃない!ローリー・マキロイはアイアンショットも魅力的
- 2016.04.08
- トピック
2016年3月末現在、世界ランク3位につけているローリー・マキロイ。今、最も「強い」と思う選手を挙げるなら、マキロイだという方も多いのではないでしょうか?
下半身の強さと深い捻転から生み出されるコマのような回転、美しいフィニッシュは、素人にはとても真似できないとわかっていても憧れてしまいます。
マキロイのこれまでの戦績をおさらいするとともに、使用アイアンやスイングの特徴、ちょっとした上達のためのドリルなどもご紹介します。
ローリー・マキロイのプロフィール
Rory Mcllroy
生年月日:1989年5月4日
出身地:北アイルランド ダウン州ハリウッド
身長:178cm*
体重:73kg*
プロ転向:2007年
優勝:PGAツアー11勝(うちメジャー4勝)、ヨーロピアンツアー12勝、その他3勝
クラブ・ウェア:ナイキ
*サイトにより表記が異なります
生後18ヶ月でクラブを握り始めたマキロイは幼少の頃から非凡な才能を見せ、世界ジュニア選手権(9-10歳の部)で国際大会のタイトルを獲得します。
2007年、世界アマチュアゴルフランキング1位に輝き、同年9月にプロ転向を発表。2008年11月には19歳6ヶ月の最年少記録で世界ゴルフランキング50位以内を達成します(後に石川遼とマッテオ・マナセロがこの記録を破ることになる)。
2009年にはドバイ・デザートクラシック(ヨーロピアンツアー)でプロ初優勝を飾り、2010年のクエイル・ホロー選手権でPGAツアー初優勝。これはタイガー・ウッズの記録を抜くPGAツアー史上最年少優勝記録であり、最終日のスコア62はコースレコードでもありました。
2011年のマスターズは、記憶に残っている方も多いでしょう。最終日を4打差の首位でスタートしたものの、まさかの8オーバーを叩き最終順位は15位タイと大崩れ。しかしこの苦い経験からすぐさま立ち直り、全米オープンではwire-to-wireの完全優勝で、通算16アンダーは大会史上最多アンダーパー。圧巻のメジャー初制覇を成し遂げました。
2012年には全米プロ選手権を2位に8打差という大会記録で制し、23歳にして早くもメジャー2勝となります。世界ランキング1位にも輝き、欧米の両ツアーで賞金王という偉業を達成。恐ろしいまでの強さでした。
2013年にナイキと契約し、ギアを一新したことで調子を崩してしまいますが、翌2014年には全英オープンで完全優勝。生涯グランドスラムに王手をかけることになります。さらに同年、再び全米プロを制し、メジャー4勝目を飾りました。
2015年はメジャー勝利こそないものの、WGCキャディラックマッチプレーを含め、レギュラー大会で欧米合わせて4勝を挙げています。
ローリー・マキロイのクラブセッティング
マキロイの最近のクラブセッティングを見てみましょう。
*情報は2016年3月、WGCキャディラック選手権の時のもの
・ドライバー:ナイキ ヴェイパー フライプロ ドライバー(9.5度)シャフトは三菱レイヨン ディアマナS+ 70TX
・フェアウェイウッド:ナイキ ヴェイパー スピード フェアウェイウッド 3番(15度)、5番(19度)
・アイアン:ナイキ VR PRO ブレードアイアン 4~9番
・ウェッジ:ナイキ エンゲージ ウェッジ(46度、52度、56度、59度)
・パター:ナイキ メソッド オリジンB201 パター プロトタイプ
・ボール:ナイキ レジン プラチナム
これを見るとウッドは最新モデルを使用していますが、アイアンは2011年モデルを変わらず愛用していますね。VR PRO ブレードアイアンは、タイガー・ウッズも使用していたモデルです。
マッスルバックの中でも小ぶりのヘッドでミスヒットに弱く、ヘッドスピードが必要など難しい要素満載ですが、トッププロにとっては、芯をわざと外して球筋やスピン量をコントロールすることができ、薄いソールは深いラフからの脱出を助けてくれる、使いやすいアイアンということになるのですね。
難しいコースでプレーするプロ向きのアイアンですが、最高の打感と操作性の良さから、日本のアマチュアにも良い評価を得ているようです。キャビティバックでやさしく飛距離を出すも良し、敢えて芯の狭い難しいアイアンで練習し腕を磨くも良し。あなたならどちらを選択しますか?
マキロイのショットの特徴
海外ツアーのプロゴルファーとしては決して背が高い方ではないマキロイ。松山英樹と比較しても、松山の方が少し高いくらいです。なぜ彼はあれほどまでに飛距離を出せるのでしょうか?その秘密を調べてみました。
マキロイは、自分のゴルフはドライバーショットが基盤となっていて、ドライバーが良ければ全てが良くなる、と述べています。スコアメイクにおいては当然のことですが、スイング作りに関しても、彼にとってドライバーが基本なのではないでしょうか。
ゴルフスイングで特に意識しているポイントについて、マキロイ自身がこれまでに語っていたことを簡単にまとめると…
・カギは始動60cm
スイングの始動60cmをまっすぐ引くようにし、両肩とグリップでできた三角形を崩さずテークバック。グリップが右腰横に来てシャフトが地面と平行になった際に、飛球線後方から見てグリップとクラブヘッドが重なるようにする(ヘッドがインサイドにもアウトサイドにも上がっていない証拠)。
・左肩があごの下に来たらバックスイング完了→ダウンスイング開始
左腕を伸ばしてワイドにバックスイング。しかしオーバースイングにならないよう、「左肩があごの下」を目安にトップを作る。
・ダウンスイングで左膝をターンさせる
左膝をターンさせることで左にシフトし、アグレッシブにスイングして右腕を伸ばす。左サイドをクリアにすれば速くスイングできる。
・アプローチでも三角形を崩さない
ショートアイアンやウェッジでも、両肩とグリップでできる三角形を崩さない。この三角形はフィニッシュまで保つ。
トレーニングによってもたらされた強靭な下半身と、もともとの体の柔らかさで、本人はあまり意識せずできてしまうようですが、上半身の深い捻転は人並みはずれています。肩と腰の捻転差がパワーの元なんですね。
また、インパクトからフォローにかけて、左手首を折らずにまっすぐ伸びた状態で振り抜いているため、軌道が安定しフィニッシュに持っていけるのです。
おすすめドリル
マキロイほど体を捻るのは無理でも、美しいフィニッシュは真似したい!安定性を増して飛距離も伸ばしたい!そんな方におすすめのドリルを一つご紹介します。
それは「フォローだけでボールを打つドリル」。
ショートアイアンを用いて、テークバックせずにフォローだけでボールを前に飛ばすようにします。打つというよりは、フェースでボールを押し出す感じ。
最初はほとんど前に運べないと思いますが、20ヤードほど飛ばせるようになる頃には、手でこねずに体全体を使う感覚が身についているはず。そして低くフォローを出してインパクトゾーンが長くなることで、安定した球が打てるようになります。ぜひ練習してみてください!
まとめ
左足首の大怪我で全英オープンを欠場せざるを得ず、メジャー優勝が一つもなかった2015シーズン。レギュラー大会で複数回優勝し、ヨーロピアンツアー年間王者に輝いていても、マキロイにとっては不甲斐ないシーズンだったに違いありません。
2013年の不振から大きく飛躍した2014年のように、2016年も反動で大爆発することができるでしょうか?今年もローリー・マキロイから目が離せませんね。
最後に、ヨーロピアンツアーでのマキロイのトップ10ショット動画をご紹介します。1位のアイアンショットは惚れ惚れしますよ!
【Rory McIlroy’s Top 10 shots – European Tour】