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松山英樹が思わぬ飛距離に苦戦!?全英で悲劇の18番で予選落ちから復活できるか?

まさかの18番でした。499ヤード、パー4。2番UTのティーショットは左の浅いラフへ。残り205ヤードでグリーンを狙った2打目は左方向に飛び出しOBゾーンのクリークの中でボールが見つかりました。

打ち直しの4打目はグリーン手前のカラー。そこからパターを3回使ってやっとカップに沈めたもののトリプルボギー。ダブルボギーでも決勝に進めた予選通過ラインに1打足りず、松山英樹はメジャーで2年ぶりに予選落ちしました。

4オーバー110位タイからスタートした2日目は14番ロングで7mを沈めイーグル、16番でも2mのバーディーパットを決めて1オーバーに戻したものの、18番ですべてがフイに。

カーヌスティの18番と言えば、1999年の全英で最終日の最終18番で首位に立っていたジャン・バンデベルデがやはりトリプルボギー。プレーオフにもつれこんで敗れた悲劇が思い起こされる松山のプレーでした。

全英初日から狂っていたリズム

初のメジャータイトル獲得も期待されて臨んだ全英オープン。同組にはタイガー・ウッズと話題性もありました。スタートの1番で5mのバーディパットがあと一転がりでカップインと好調な出だしを予感させましたが、結果は逆でした。

2番で1.5mをカップ左に外しボギー。5番は25mから3パットとパターの調子が合わずスコアがまとまりません。バーディーを狙えるパットがことごとくカップに嫌われました。さらに後半10番で思いもよらぬ事が起こってしまいます。

3Wでのティーショットが会心の当たり。ところが、硬いフェアウェイで弾み、なんと約400ヤード地点を横切るクリークに落ちてしまいます。ドロップ後の第3打をピンそば1mに付けたものの、パーパットはカップの右をすり抜けました。

「3Wが400ヤード飛んでやけどした」。同組のタイガーも思わずこう表現しました。さすがに松山も「良いショットだったのでショックでした。止まるだろうと思っていたのに・・・」と唇をかみました。結局初日は、良いショットやパットがあってもかみ合わず、4オーバー、75(パー71)と全英では自己ワーストでした。

念入りな準備で臨んだ松山

全英に備え松山はやる気を見せる日程で臨みました。メジャーの前週の試合(スコットランド・オープン)に出場するのは、全米プロ以外にはなかったチャレンジでした。さらに全英の舞台、カーヌスティ・リンクスでスコットランド・オープン前に2ラウンドするなど、事前に回ったのは100ホール近くになりました。

最近のメジャーでは初日にスコアが悪くても2日目から挽回し、最終日には10位以内でフィニッシュする姿が多い松山でしたが、全英は2日目に悲劇が待っていました。

これまで世界ゴルフ選手権2勝を含む米ツアー5勝、メジャーには23大会に出場し、最高は2017年の全米オープン2位タイ。トップ10には7回入っています。

さらに今年の全米オープンまで松山はメジャー7大会で予選を通過し、いずれも20位以内に入っています。全英前までの世界ランキング上位10人を見てもリッキー・ファウラーただ一人だけが7大会連続で予選通過しています(松山は16位)。

それだけメジャーに絞って調整していた松山。今回の全英は世界ランキング1位と2位のダスティン・ジョンソン、ジャスティン・トーマスも予選落ちしたとはいえ、松山にとっては悔しさが残る落選劇でした。

今や松山は世界のショットメーカー

PGAツアー男子ゴルファーの平均飛距離によると、松山は7月16日現在、299.8ヤードで59位ですが、飛ばし屋のイメージがあります。

全英初日で見せた「3Wでの400ヤードショット」や、2017年9月のBMX選手権では327ヤードの18番パー4でコースレート以上の355ヤードを飛ばしコースを大きく外れたエピソードがあります。

プロ入りした当時は身長180㎝、体重80キロだった松山も、ウェイトトレーニングの強化で現在体重は90キロに。2014年からは専属のフィジカルトレーナーと肉体強化に努めてきました。特に下半身の強化に重点を置き、上半身の3倍の量をこなしています。

この強靭な肉体が飛距離とコントロールを産んでいます。やや広めにスタンスを取り、バックスイングからトップまで下半身、腰、肩が産む大きな捻りの力を右足の踏ん張りで貯めこみます。インパクトになっても頭はしっかり残り上体がスウェーせず、スイングに力が入ります。

頭はフォロースルーになってもヘッドアップせず、そのためヘッドが走り、スイングに安定感が生まれます。フィニッシュもクラブは背中まで回って停止し、右足靴底が後ろを向くつま先立ちになります。この安定したスイングが飛距離を生んでいます。

メジャータイトルはいつ?

メジャー予選通過記録は「7」で止まったものの、松山が目指すものは予選通過ではなくタイトルです。今年は調子が安定しない試合が続いていました。

予選落ち直後に松山は「(今年は)練習場でいい感触があっても、試合で良くないというのが続いていた。今日は久々にそういうのもなく、最後のセカンドだけミスりましたけど、それ以外はいい感じでプレーできた。それを今後の試合に活かしていけるよう練習していきたい」との言葉を残して去りました。

次戦は連覇を狙うブリヂストン招待(8月2日、オハイオ州ファイヤーストーンCC)、さらに今季メジャー最終戦の全米プロ選手権(8月9日、ミズーリ州ベルーフCC)が控えています。全英に向けての準備や大会での経験がメジャー獲りにどう生かされるか。愚直なまでに練習を繰り返して大会に臨む松山に栄光が訪れるか、この8月が注目です。

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