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プロにあえて苦言!スロープレーのゴルフはカッコ悪いですよ!

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あなたが他人のゴルフプレーを観察していて、一番イライラする行動は何でしょうか?多くの方は「スロープレー」と思うのではないでしょうか?

プロ・アマ問わず、ゴルフの深刻なマナー問題として何度も取り上げられているスロープレー。日本ではJGA(日本ゴルフ協会)をはじめ、JGTO(日本ゴルフツアー機構)、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)でも様々な対策を打ち出していますが、有効な手立ては見つからない状況です。

ゴルフのスロープレー化は年々深刻になっており、競技の長時間化に拍車をかけています。これは日本に限った問題ではなく、米PGA、欧州ツアーでも何度も問題視されています。

特にプロのスロープレー化は、近年目に余る状態になってきています。そして、それを観戦するジュニアゴルファーや一般アマチュアゴルフファーの間でも、スロープレーが当たり前のように浸透してしまっているのです。

しかし、模範となるべきプロがあまりスロープレーに対して罪悪感を持たない為、対策は遅々として進みません。

例えば、現在世界ランキング1位である(2016年5月23日時点)ジェイソン・デイ選手は、かなりのスロープレーヤーで有名です。

THE PLAYERS Championship - Final Round

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また、松山英樹選手は日本ツアーでもPGAツアーでも、同伴競技者や競技委員にスロープレーを何度も指摘されています。

THE PLAYERS Championship - Round Three

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つまり、最も注目を集めるトッププレーヤーたちが、ファストプレーに努めていないのです。これでは効果があるはずがありません。

どうしてこのような事態になってしまったのでしょうか?

今回は、プロのスロープレーに対する意識について「喝!」を入れさせていただこうと思います。

そもそもスロープレーはなぜいけないのか?

まず、スロープレー問題を考えるのであれば、「何故スロープレーはいけないのか?」を考える必要があります。「スロープレーはダメ!」という事が根本的に理解していない方が多いのが、スロープレーが無くならない原因だからです。

プロでさえこの意識が薄い方がいらっしゃるので、これは大きな問題です。「スロープレーは大した問題ではない」と考えている方がいるのです。ですからまずは、この点から考えていきたいと思います。

ゴルフは、何分でプレーしなければならないという明確なタイムが決まっているわけではありません。おおよそハーフで2時間と言われるのは目安としてのプレー時間であり、一般的にはこれより遅いペースならばスロープレーとみなされます。

しかし、前の組がいれば思い通りに進まないこともありますので、なかなか時間だけでスロープレーを判断するのは難しいでしょう。つまり、スロープレーはタイムで決まるものではないのです。

では、何が「遅い」とスロープレーになるのでしょうか?

場の空気が読めない人がスロープレーヤー

The Irish Open - Day Three

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それは、「判断」が遅い人です。場の空気が読めない人と言ってもいいでしょう。

ゴルフは2~4人の複数でプレーすることがほとんどですから、ラウンド中の時間は、この同伴プレーヤーと共有して使われるものです。このラウンド中の時間とは、カートでの移動時間、歩く時間、ボールを探す時間、同伴者のプレーを見守る時間、自分のプレーをする時間などになります。

この中で、「同伴者のプレーを見守る時間」と「自分のプレーをする時間」は、表裏一体です。
※このプレーする時間には、状況を判断し、アドレスを取るまでの時間も含まれます。

つまり、自分がプレーしていれば、同伴者は「あなたのプレーを見守って」いますし、同伴者がプレーしていれば、あなたが「同伴者のプレーを見守って」いることになります。

ゴルフは必ず誰か一人が打ち終わるまで、次のプレーヤーは打つことができませんので、見守るしかないのです。「自分がプレーする時間=同伴者にプレーをさせない時間」という事です。

では、この割合が大きく傾いていたらどうでしょうか。自分のプレーする時間が多くなればなるほど、同伴者のプレー時間を侵食し、リズムを狂わせます。こうした基本的な判断ができない人が「スロープレーヤー」になるのです。

つまり、スロープレーヤーとは

・他人に迷惑をかけていることを気付けない人
・自分さえ良ければ、他人のゴルフのペースが崩れても何とも思わない人
・周りの空気を読まず、自分のゴルフに一生懸命な人

ではないでしょうか。こんなゴルファーと、一緒にプレーするのは嫌ですよね。

例えば、同伴のプレーヤーの事を「遅っ!」と感じる瞬間はどんな時でしょうか。それは、もうとっくに打っているだろうと思っている場面で、まだ打つ体勢にもなっていない時です。

「えぇ?まだ打たないの?」と言いたくなりますよね。

このように、一緒にプレーしている人の打つペースが気になった瞬間から、もうあなたのペースは崩れ始めているのです。

「今日は後ろの組が来ていないから、ゆっくり回れるね」という方がいますが、スロープレーは、後ろの組だけに影響するものではありません。スロープレーは、最も身近でプレーする同伴者のゴルフを乱す大きな原因になるのです。

スロープレーが「悪い」と言われる理由が、少しは理解できたでしょうか。

プロの意識は?

THE PLAYERS Championship - Final Round

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では、スロープレーの罪が理解できたところで、プロの場合を考えてみましょう。スロープレーを犯すプロの場合は、もっと悪質です。

彼らは本来、場の空気も読めますし、同伴者のプレーもよく見ています。状況判断にも優れていますので、周りに合わせてプレーの速度も「早く」することも「遅く」することも可能です。

しかし、緊迫した試合の中、それらは全て後回しになります。試合中のプロにとって、自分の思い描くショットを打つことは、すべてのマナーより優先されるのです。

ですから「遅い」と指摘されても、なんとも思っていません。そうした指摘ですらスロープレーが身についたプロにとっては雑音でしかなく、自分のプレーを妨げる障害なのです。中にはスロープレーを指摘されると、「自分は遅くない」とクレームを入れるプロもいます。

また、あるプロは指摘に対して「気にせず、いつもどおりのプレーを心がけた」などという言葉が出てくるのですから、いかに「スロープレー < 自分のプレー」かという事が分かります。

真剣勝負のプロの世界ですから1打がとても大切なのは理解できますが、こうした振る舞いは、果たしてプロとして正しいでしょうか?良く考えて欲しいと思います。

スロープレーを一番感じるのは、同じ組でプレーする他のプロ達です。プロはお互いに敬意を払っていますので、苦言を呈すのはよほどの状況です。特に優勝者に物申すのは勇気がいります。「負け惜しみ」と言われかねないからです。それでも最大級の賛辞が贈れない状況では、後味の悪い勝利になってしまいます。

自分が最大限の力を発揮したいのなら、一緒にプレーするプレーヤーの力も最大限に発揮できる環境を提供することが、プロのあるべき姿なのではないでしょうか。

解決策の模索

The Irish Open - Day Three

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2012年から、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)ではスロープレーに対してイエローカードを導入し、警告を行っています。さらに2016年からは、それまで1ホールごとのプレーペースの計測だったものを1打ごとに改定し、特にグリーンでのプレー速度のアップを目指しています。

これらの対策は警告後、もう一度タイムオーバーが計測されると1打罰が課せられるため、ある一定の効果があります。また、イエローカードという分かりやすい警告は、自覚を促す上でも有効でしょう。

また、欧州ツアーは罰金という形で厳しく取り締まっているようです。さらに、R&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セントアンドリュース)も、先日(2016年5月17日)スロープレーに対しての対策マニュアルを発行しました。

それに呼応して、PGA・欧州の両ツアーで活躍するシェーン・ローリー選手は、「悪質なスロープレーに対しては罰金ではなく、スコアに直結するペナルティを与えるべきだ」と提言しています。

しかし、肝心のスロープレーヤーであるプロの意識が向上しなければ、ただプロは規則に渋々従っているだけになります。自分の振る舞いを反省し、スロープレーを『恥』と思わなければ、根本的な解決にはならないでしょう。

おわりに

The Irish Open - Day Three

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テレビ中継では、キャディと相談している時間やコースメモをチェックする時間、素振りをしている時間などは、多くのプレーヤーを映し出す必要があるので、ほとんどカットされてしまいます。その場のプレーのリズムや流れは、コースで観戦しないと分からないものなのです。

ですから、とあるプロのスロープレーが同伴プロに注意され問題となっても、それほどピンとこないかもしれません。また、プロのプレーを観戦する私たちの方にも、「プロは1打で賞金が大きく変わるから真剣」「プロは時間がかかってもしょうがない」など、スロープレーを容認してしまう気持ちがあります。

この考えをきっぱりと捨てましょう。

プロであるからこそ、プロらしい振る舞いで戦ってほしいのです。他のプロに後ろ指差されるようなプロになってほしくはありません。一部のスロープレーなプロによって、多くのプロが迷惑をしているのです。

「スロープレーは恥ずべき行為」だという事を気付いてもらえれば、技術面だけではなく、心技体を兼ね備えた魅力ある選手になります。

なんだか相撲界の横綱の品格を問う時のようなお話になってしまいましたが、トッププロだからこそ、多くのゴルファーの模範となるようなプレーを期待しています。

プロの皆さん、お願いします!

 

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