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実は危険だらけのゴルフの世界/打ち込み・カートによる事故・不意に飛んでくるシャンクボールなどなど

ゴルフコースでプレーしている際に、ヒヤッとするような怖い経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか?

例えば隣のホールから球が飛んできて、危うく体に当たりそうになったり、同伴プレーヤーのアプローチがシャンクして、ボールが自分にめがけて飛んできたり、カートがカート道路を乗り上げて車体が浮いて傾いてしまったり…。

ゴルフのプレー中は、日常生活よりもたくさんの危険が潜んでいますので、ゴルフ場でのこうしたハプニングによる事故は、決して稀なものではありません。広々とした空間で、開放的な気分になるのは無理からぬことなのですが、同時に実は「ゴルフは危険」という意識も持たなくてはならないのです。

今回は、実際に起こったさまざまなトラブルから、ゴルフ場に潜む危険について考えてみたいと思います。またこうした危ない出来事や行為は、自分自身が起こしてしまう可能性もあります。あなたにも起こり得ることとして考えてみてください。

ケースその①、隣から飛んできたボールが、背中に当たった

コースでプレー中に、どこからともなく「ファー」という声が。キャディさんがとっさに「頭を守ってください!」と叫んだため、両手を頭の上に乗せ、身をかがめようとした瞬間、背中に「ドスッ」と衝撃が…。

隣のホールでプレーしていたボールが林を越えて飛んできたケースです。幸いにも大したことはありませんでしたが、ほんの少し当たる場所が違えば、大怪我になっていたかもしれません。

このように予期せぬ方向からの突然の災害は、防ぎようがありませんね。しかし、「ファー」という危険を知らせる掛け声があることで、数秒間の身を守る時間が作れますので、大きな違いがあります。

自分が隣に打ち込むような危険なミスボールを打ってしまった際には、大きな「ファー」を、そして、「ファー」が聞こえた時には、とっさに自分の身を守る動作をすることをイメージしておきましょう。

ケースその②、バンカーからのシャンクボールが後頭部を直撃

友人同士の女性4人で楽しくラウンド中。その中のひとりのプレーヤーのボールがガードバンカーに入ってしまいました。そしてバンカーからその女性が打ったボールがシャンクしてしまい、グリーン近くの右前方に立っていた別の女性プレーヤーの後頭部を直撃!悲鳴と共に一瞬、緊張が走りました。

しかし当てられた本人はケロリとしていて、何が起こったのか理解できない様子。実は、髪を後ろに束ねるバレッタ(髪留め)に当たったことで、ダメージがほとんどなかったのです。これは大変幸運でしたが、至近距離だけに一歩間違えば、かなり危険な状態だったことは言うまでもありません。

バンカーに限らずプレーヤーの前方に立つことは、斜め前であっても危険を伴います。しかもボールから目を離していると、もしボールが飛んできても逃げるための動きができません。プロが打つボールでも、100%コントロールできるわけではないのですから、特に初心者に限らず、アマチュアゴルファーのボールの行方は基本的に信用しない方が良いでしょう。

ついつい次のことを考えて、前方に進みたくなりますが、お互いのために十分な注意を払うことをお忘れなく。「危ないから、もっと離れてね」と言うことは、相手を思いやる言葉なのですから、どんどん使ってください。

ケースその③、乗用カートからはみ出したクラブが木にぶつかる

ティーショットの順番が最後のプレーヤーは、急いでカートに乗り込むことがありますね。そんな時、ゴルフバックにクラブをしまうのではなく、手に持ったままカートに乗り込むこともあるでしょう。

そしてこのケースのプレーヤーは、ドライバーを自分のお尻の後ろの座席シートに挟み込むように置いて、本人が運転していました。そして運転してしばらくしてから、ほんの少しはみ出していたクラブヘッドがカート道路沿いの木の幹にぶつかり、クラブが引っかかるトラブルが発生しました。

当然運転していた本人にも衝撃が伝わり、ハンドルを取られてしまいましたが、幸いにもすぐにブレーキを踏んだことで、大事故には至りませんでした。こちらのケースもたまたま事故にはなりませんでしたが、非常に危険でした。また、自分だけでなく同伴のメンバーも危ない目にあうところだったのです。

手に持ったままの運転が危ないのはもちろんなのですが、側面のドアが無いゴルフカートは非常に無防備であり、ちょっとしたことで障害物と接触してしまいます。ゴルフクラブに限らず、カートから足をはみ出して座っているような格好も、非常に危険ですよ。

ケースその④、後続組からの打ち込みによるトラブル

後ろの組からの打ち込みも、ゴルフ場で多く発生するトラブルです。大きく頭上を超えるような打球の打ち込みはそれほど多くはありませんが、足元をコロコロと通過していくような打ち込みは、コース内で頻繁に発生しているのではないでしょうか。

これは多くのプレーヤーが打ち込まれて不快な思いをしたことがおありでしょうし、逆に自分が打ち込んでしまったこともあるでしょう。普段だったら届かないと思われるような距離でも、風向きによっては思った以上に飛んでしまいますし、危険な場合もあります。特に注意しなければならないのは、ドッグレッグホールなどのスタイミーなホールです。キャディさんがいないと、安全であるかの正しい判断は難しく、安易に打ってしまいがちです。

また、意外と注意するべきなのが、前の組に女性が入っている場合です。飛距離が男性と差がある上に、ティーグランドも前方にありますので、一般的な男性プレーヤーが行動する位置とは、違う場所にいることが多いのです。
これを、後方から見ていると距離感覚が掴めなくなり、女性がまだ手前に位置し、それほど離れていないにも関わらず、「もう打てるかな」という間違った判断をしてしまうのです。

打ち込みはゴルフのマナーの中でも大変重要なポイントですので、絶対に打ち込んではいけない!ことを基本としてください。

後ろからの打ち込みで一番の怖いことは?

実は、後ろの組からの打ち込みには、もうひとつの危険なことがあります。それは、プレーヤー同士のトラブルです。

打ち込んだ本人は、「ちょっと足もとに転がっただけだから、大したことない」と考えがちなのですが、打ち込まれた側は不愉快な出来事です。またアドレスを取ってスイングをしようとしたその時に、後方からのボールのコロコロと転がる音には、極端にナーバスに感じてしまうこともあるでしょう。

グリーンでのパター中に打ち込まれ、スコアに影響が出てしまった場合などは、怒りが収まりません。この温度差が、ゴルフ場の中で最も多い『お客様同士のトラブル』を引き起こすのです。

実際に打ち込まれたボールがプレーヤーの右足に軽く当たったケースが発生したことがあります。当てられたプレーヤーは非常に不快ではあったと思いますが、特に怪我を負ったということではありません。大きな事故にならず良かったのですが、問題はここからです。打ち込んだプレーヤーがその場面を見ていなかった(見えなかった?)ため、謝罪もせず、そのままプレーを続けたことで、当てられたプレーヤーが激怒したのです。

このケースの問題点は、プレーヤーが当たった場面を見ていない為、加害者意識が薄いところです。それにより、(当ててしまったにもかかわらず)怒られたことで逆切れ状態となり、プレーヤー同士がもめるという、最悪の状態となりました。殴り合いにまではなりませんでしたが、言葉の応酬が続き、一色触発の事態は大きなわだかまりを残す結果となってしまいました。

これは、ちょっとした配慮で防げたトラブルです。打ち込みは確かに失礼なのですが、もし打ってしまっても、迅速な対応さえしていれば、打ち込まれた側も理解を示してくれます。指摘されてから謝るのでは遅いのです。つまり、「もしかしたら打ち込んでいたかもしれない」という確認を怠ってしまったがために、無用なトラブルを引き起こしてしまったことになります。

こうしたケースもゴルフ場で起こる事故のひとつと言えるでしょう。被害者にならないように周囲を警戒することも必要ですが、加害者にならない為の配慮も大切だということを覚えておいてください。

おわりに

※先日の5月22日に、ゴルフ場のカートによる死亡事故が発生してしまいました。長野県の「隨縁軽井沢ナインハンドレッド倶楽部」でプレー中の男女4人が乗ったカートが沢に転落、女性が亡くなり、夫である同乗者の男性も重傷を負う大事故です。

運転していた男性は軽傷だったそうですが、顔にハチが飛んできて、払いのけようとしたところ、ハンドル操作を誤ってしまったということです。楽しいゴルフが一瞬にして不幸な結果になってしまう惨事は、決して人ごとではありません。「自分や自分の周りにもあり得る状況だ」と、このニュースを聞いて多くのゴルファーの方が感じたことだと思います。

近年はフェアウェイ侵入が可能なコースも増え、カートがコース内を縦横無尽に走っている光景を目にします。非常に快適ではあるのですが、道がないということは、カートには不向きな場所にも乗り入れてしまう可能性があります。

きつい傾斜やデコボコな地面、たくさんの障害物など、危険な個所が多いにもかかわらず、普段の自動車運転より、注意がおろそかになってはいないでしょうか。ゴルフを楽しむ中にも常に危険は潜んでいるということを忘れないようにしたいものですね。

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