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え!アイアンが全部同じ長さ!?期待の大型新人ブライソン・デシャンボーの常識を越えたセッティングをチェック!!

ゴルフにはまるとこだわりたくなるのは、やっぱりクラブセッティングですよね。そろそろ、自分だけのオーダークラブをゲットしたいな・・・なんて思っている方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は驚きのセッティングを使用している米男子ツアーのニューフェイス、ブライソン・デシャンボーをご紹介します!インパクトを残した「マスターズ」での活躍を始め、アマチュア時代の戦績やゴルフ界が注目する“シャフトの長さが全て同じアイアン”を徹底解剖!

オーダークラブはまだ早いかな・・・と言う方も、今度のボーナスでクラブを新調したくなっちゃうかも!?
●プロフィール
名前:ブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau)
生年月日:1993年9月16日(22歳)
出身地:米国 カリフォルニア州クロービス
身長:185cm
体重:88kg
プロ転向:2016年
クラブセッティング:コブラ・プーマ、イーデルゴルフ
ボール:ブリヂストン
ウェア:プーマ

インパクトを残したアマチュア時代~プロデビュー

ブライソン・デシャンボーは、テキサス州ダラスのサザンメソジスト大学に在籍中だった昨年2015年に全米アマチュア選手権で優勝。さらに、同年のNCAA男子ゴルフ選手権でも個人部門でタイトルを獲得しました。

同一シーズンの両大会優勝は、ジャック・ニクラス、フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズ、ライアン・ムーアに続く、アマチュア史上5人目!すごい面々と並ぶ快挙を成し遂げたゴルファーなんです。

ブライソン・デシャンボーは、全米アマチュア選手権の優勝で「2016年マスターズ」への出場資格を獲得。アマチュアながら2日目には一時、首位につけていたジョーダン・スピースに1打差まで迫るなどの大活躍で、大物ぶりを見せつけローマチュアの栄冠に輝きました。

そして、アマチュアのトップタイトルを総なめにしたブライソン・デシャンボーはプロ転向を決意。今年4月中旬行われた米男子ツアー「RBCヘリテージ」でプロデビューを飾り、首位と4打差の5アンダー、4位タイと見事な成績でプロ初戦を終えています。

奇想天外!全て同じ長さのアイアンが注目の的

「マスターズ」での活躍後、ブライソン・デシャンボーの常識を越えた独特なクラブセッティングが、一躍注目を集めています。

<1W> コブラ :King F6+ Pro(ロフト角7度)
シャフト Oban Kiyoshi Tour Limited 70X(長さ45インチ)

<3W> コブラ:King F6(ロフト角14.2度)
シャフト Oban Kiyoshi Tour Limited 70X(長さ43インチ)

<UT> コブラ:King Utility(ロフト角18.5度)
シャフト Project X HZRDUS Black Hybrid 6.5

<アイアン3~9番> イーデルゴルフ:Forged Prototype
シャフト KBS C-Taper Lite 115X(長さ37.5インチ、ライ角69度)

<ウェッジ> コブラ:King
シャフト KBS C-Taper Lite 115X(長さ37.5インチ、ライ角69度)

<パター> イーデルゴルフ:The Brick

全てのアイアンが同じ長さ!?

ブライソン・デシャンボーのドライバーは、プロ転向と同時に契約した『コブラ・プーマ』ですが、ゴルフ界で大きな話題となっているのが、『イーデルゴルフ』のアイアンです。

20度の3番から60度のウエッジまでアイアンのシャフトの長さは、全てお気入りの6番に合わせた37.5インチに統一されています!

さらに、それぞれのヘッド重量も280グラムと均一。ロフトが大きくヘッドがより重い番手では、シャフトの長さが短くなっているのが一般的なのですが・・・、彼のアイアインは、長さと重さが10本全部同じ!と言うことになります。

また、グリップはエンド部分の直径がなんと37.5ミリ!28ミリ程度の一般的なグリップと比べて3~4回りも太い超極太です。米男子ツアーの解説者も「こんなの見たことない!」と声を上げるのもなるほど・・・、常識外れなセッティングですよね。

<ブライソン・デシャンボー本人が紹介!噂の同尺アイアン>(英語)

同尺アイアインの誕生秘話

至る所に独自の工夫が施されたこのアイアンは、どのように誕生したのでしょう?ブライソン・デシャンボーは発案の理由を、「“アドレス姿勢、スイング時の感覚とタイミングの再現性がより高いアイアン“を目指した」と語っています。

どのアイアンでも常に同じ感覚でスイングができれば、正確なショットをより高い確率で実現できると言う考え方。そこには、自らを「ゴルフ科学者」と呼ぶブライソン・デシャンボーの常識にとらわれない自由な発想と緻密な理論が集結しています。

けれど、ただ単にアイアンのシャフトの長さを統一するだけでは、ヘッドバランスが崩れてしまいます。そこで、シャフト尺だけでなくヘッド重量も均一にし、さらにライ角も全て同じにすることを考案。これは、大学時代(プロ転向のため退学)には物理学を専攻していたブライソン・デシャンボーが、自身のスイングに合わせて自ら導き出した構想だそうです。

そして、この奇抜なアイデアに賛同しアイアインの開発に協力してくれたのが、『イーデルゴルフ』のデビッド・イーデル氏。共に5年の年月を費やした末に、同じ長さで最適なヘッドバランスを備えた理想のアイアンにたどり着いたそうです。

型破りなアイアンはハンマー打法に最適!

このアイアンが威力を発揮するブライソン・デシャンボーのスイングは、シングルプレーンです。あの伝説のゴルファー、モー・ノーマンが採用していた「ハンマー打法」と呼ばれるスイングがそれ!

体軸を意識したボディターン・スイングと異なり、手首と腕をメインに使用します。“シャフトと同ラインに肘と手首をまっすぐに伸したアドレスから、大きな体重移動と手首のコックでボールにパワーを伝えて飛距離につなげる打法です。

<モー・ノーマンとブライソン・デシャンボーのスイング比較>

ブライソン・デシャンボーの型破りなアイアンは、この「ハンマー打法」で重要とされるアドレスで絶大な効果を発揮します。

どのアイアンでも、69度に統一されたライ角によりシャフトと左腕が常に一直線に固定され、シャフトの長さが均一なことで同じ姿勢を維持することが可能に!さらに、極太グリップは、「ハンマー打法」にぴったりなベースボール・グリップに最適というわけです。

10本全てのアイアンにニックネーム!

ブライソン・デシャンボーのクラブへのこだわりは、こんなところにも見ることができます。なんと、10本全てのアイアンには、1本毎にニックネームが刻まれています。それぞれの名前とその由来は・・・?

〇3 I「ガンマ」:ギリシャ語アルファベットの3番目の文字 “γ”の読み。

〇5 I「アザレア」:大好きなオーガスタの13番ホール(パー5)の愛称。

〇6 I「ジュピター」:オーガスタ6番ホールの愛称。

〇7 I「ティンカップ」:同タイトルのゴルフ映画で主人公“ティン・カップ”が、この1本だけでスコア「65」を叩き出したクラブが34度(3+4=7)のアイアイン。

〇8 I「8ボール」:ビリヤードの決め球でラッキーアイテムとして知られている8番ボールにちなんで。

〇9 I「ジャッキー」:伝説のプロ野球選手ジャッキー・ロビンソンの背番号“42”と同じロフト角42度だから。

〇PW「ハーマン・カイザー」:1946年マスターズの覇者の名前。

〇GW「ジミー」:1950年マスターズの覇者ジミー・デマレットの名前から。

〇SW「ミスター・ワード」:1995年全米アマチュア選手権とマスターズのローアマチュアで優勝したハービー・ワードの名前にちなんで。

〇LW「キング」:1960年マスターズで優勝を飾ったアーノルド・パーマーの愛称。

アイアインだけじゃない!こだわりはトレードマークのウェアにも!

ブライソン・デシャンボーは、ウェアも大変ユニークです。ジュニア時代から好んで着用しているハンチング帽とニッカボッカは、スイング理論を確立したベン・ホーガンへの尊敬を示しているそう。

また、同じ大学出身の大先輩で、勢いに乗っていた1999年に飛行機事故で突然他界したペイン・スチュワートへの敬意の証にハンチングを愛用しているそうです。

ブライソン・デシャンボー

ブライソン・デシャンボーは、6月2~5日に米国オハイオ州のミュアフィールドビレッジGCで行われた米国男子ツアー、「ザ・メモリアルトーナメント」に出場しました。

日を追う毎にスコアを伸し、8アンダーで迎えた最終日に足踏み。それでも、日本勢の松山英樹選手が予選落ち、岩田寛選手が46位タイに終わる中、7アンダー、38位タイ。優勝は、プレーオフの末にウィリアム・マクガートがツアー勝利を飾りました。

この大会では、ホストを務めるジャック・ニクラス氏とプロが開幕前に恒例のクリニックを開催。昨年、前年優勝の松山英樹選手がデモンストレーションしたその舞台に、今年はブライソン・デシャンボーが登場しました。

スイング披露の前に、帝王ジャック・ニクラス氏とアマチュア時代の大記録にまつわる話題でイベントを盛り上げ、全て同じ長さのアイアンセットから「どの7番アイアインにしようかな?」とジョークを飛ばして観客を沸かせたそうです。

デビュー戦後、予選落ちが続いていたブライソン・デシャンボーですが、続く今季へ向けて調子を上げる良いきっかけとなった大会だった様子。今後どんなプレーを見せてくれるのか、要注目の選手であることは、間違いなさそうです!

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