快晴はゴルフ日和では無い!?真夏のカンカン照りが与える影響と対策
- 2019.07.07
- トピック
連日猛暑が続いていますが、暑さにも負けず、プレーに励んでいることでしょう。熱中症対策はしていますよね。水分、塩分をこまめに摂りましょうね。
実際、毎年この季節になると、多くの人が救急車で搬送されたり、最悪のケースもしばしば報道されています。
逆光の太陽は集中力を妨害する
さて、ゴルフは自然との闘いなので、その日の天候が大きくスコアに影響します。よく雲ひとつない快晴が絶好のゴルフ日和といいますが、この季節の太陽はゴルフ日和どころか、集中力を妨げたり、いろいろな錯覚を招く原因になります。
日差しの強い真夏は、影ができすぎて、グリーンを狙うショットのときに距離感が狂いやすくなります。太陽が真上のときなら、影も出なくプレーしやすいのですが、斜光のとき、特に朝日や夕日はなんとなくやりにくいものです。
グリーンに向かって逆光だと、実際の距離よりもずっと遠くに見え、順光だと近くに見えるものなのです。逆光だと、単に距離感の間違えだけでなく、太陽がまぶしくてスイングにも影響します。
最初に目標を定めるため、太陽のほうを見るので、その強い光で目がくらみます。それが原因でアドレスで目標方向に正しく立ちにくいのです。
さらにインパクトからフォロースルーにかけて、太陽のまぶしさを本能的に避けようと、顔を下に向けたまま残します。すると体の回転も止まって、思いがけないフックボールが出てしまうのです。
フォロースルーでは顔も自然に目標を向くから、体も回転するのです。ゴルフスイングでは、目と体は連動するものであって、目が打った方向を見ないのは不自然なのです。つまり真夏の強い太陽光が邪魔をして不自然な動きをさせているのです。
逆光が集中力を奪う例はまだあります。
逆光だと、そのショットを早く済ませたい心理が働き、ゆったりしたスイングとはならず、早打ちになる傾向がみられます。当然タイミングが狂ってミスショットになりますが、これは誰でも経験していますよね。
そんなミスを少しでも減らすためにも、今年の夏はお洒落でスポーティーなサングラスを購入するのも、スコアアップのひとつの対策です。
プロゴルファーはけっして格好つけて、サングラスをしているのではないのですよ。
深呼吸で大脳を活性化させて、リズムを取り戻す
いずれしても、逆光はまぶしく集中力を失いがちになるので、この自然現象をよく理解し、それに負けない準備が必要です。
ショットの方針が決まったら、一度鼻から大きく息を吸って、ゆっくり口から吐く深呼吸をしてアドレスに入ります。深呼吸は大脳の血液の循環をよくさせて、集中力を蘇らせますし、力の入った上体もリラックスさせる効果があるのです。
「光」があるところには当然「影」もあります。この影はパッティングのときに邪魔になるものです。カップとボールを結ぶ線上に自分の影や木の影が横切って被さるケースです。
目標に対して、パターフェースをスクエアに合わせようとしても、フェースとボールの間に影が入ってスクエアに合わせにくいし、パッティングラインも自分の影が邪魔して消してしまいます。
そんな場面では、影を無視して、ボールの先に一点スパット(目印)を設定して狙いを定め、そこへ正確にボールを打ち出すように集中するといいでしょう。ボールをよく見てしっかり打つことができるのでミスパットを防ぐメリットもあります。
カンカン照りの日は視覚的雑音が多くなる
ゴルフでは快晴よりも微風、薄曇りの天気がベストコンディションの日なのです。日差しが強くなければ気持ちが落ち着くからです。
読書のときでも、照明が明る過ぎたり、暗過ぎると疲労感が増すのと同じで、真夏のカンカン照りの日は目や神経が疲れます。心理学では「視覚的雑音」というそうです。
薄曇りだと、光は弱く、影もはっきり出ないので、視覚からくる邪魔物がなくなり、なんとなく落ち着いた気持ちになります。グリーン上でも芝目がよく見えて、パッティングの集中力が増します。
「今日はラインがよく見える」という日は、単にパットが好調だけでなく、天気とも関係が深いのです。
落ち着いた気持ちでプレーできる日は、1打ごとの注意力、観察力もよく働き、良い結果につながるものです。ところが現実は、雨や風、カンカン照りなどいろいろな自然現象があって、こちらの都合通りにはいきません。
ある意味でゴルフは自然現象が、人間の肉体的、精神的な能力をテストしているのでしょう。
順光、逆光で物の見え方がガラリと変わる
コースの景色にしても、グリーンの後方に高い樹木が並んだ林があれば、距離が短く見えます。反対に後方になにもなく、青空が広がっていれば遠くに見えます。目の錯覚、景色でさえそうなのだから、太陽の光と影はさらに錯覚を引き起こします。
グリーン上に朝日や夕日の長い影があると、その色が深く濃いほど、パッティングのときにカップが普段より遠くに見えます。しかも、その影がグリーンのアンジュレーションを消してしまい、傾斜を読みづらくさせます。
朝日や夕日をまともに受ける逆光で、しかも逆目からのパットは、芝目に影ができて、グリーンの表面が凸凹にささくれだって見え、とても入る気がしません。
同じグリーンでありながら、薄曇りの日だとグリーン面がずっと穏やかに見えます。光と影はそれだけ悪戯をしているのです。
自然現象として光と影は、常にゴルファーの錯覚を起こそうとしたり、メンタル面のバランスを崩そうとしています。
「視覚的雑音」とはよくいったもので、自然をよく理解して仲良く付き合うしかありません。
「ゴルフはコースと自然と自分との闘い」で、自然をよく理解して、それに順応するほうがスコアメイキングでもプラスになるでしょう。
いくらスイングが良くても、自然観察力が鈍ければ、なかなかスコアが出ないというのがゴルフなのです。