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連続賞金王を目指すキム・キョンテのスイングのチェック法とは?

2016年もキョンテは快調なスタートを切りました。4月の開幕戦、東建ホームメイトカップで優勝。その後も、中日クラウンズ、ミズノオープンと3勝を挙げ、早くも賞金ランキング1位となっています。

キョンテがゴルフを始めたのは14歳。10代の頃から韓国ゴルフ界では注目の存在でした。2005、2006年は日本のアマチュアゴルフ選手権連覇、2006年のアジア競技大会(カタール・ドーハ)では韓国代表として、個人、団体で2冠に輝いています。同年の韓国プロゴルフツアーではアマながら2勝を挙げました。

プロに転向した2007年にはいきなり韓国ゴルフツアーの賞金王を獲得。韓国では「怪物」「鬼」と呼ばれています。2008年に21歳で日本ツアーに参戦。年間シード権を得ると、2010年には日本オープンを含む3勝を挙げて、賞金王に輝きました。

2011年、米国挑戦のためのスイング改造を試みます。うまくいかず2013、2014年の成績は未勝利に終わりますが、2015年に復活します。かつてのスイングを取り戻し、シーズン5勝を挙げて、2度目の日本賞金王を獲得しました。

キョンテのスイング分析を韓国ゴルフ協会総監督だったハン・ヨンヒ氏が語っています。

「国によって文化や価値観が異なるように、ゴルフも国によってスタイルが変わります。個性的で攻撃的な日本のプロのスイングは派手でギャラリーを惹きつけます。それに比べ、韓国ではミスの少ない安定したスイング、基本、正確さを志向します。その象徴がキム・キョンテでしょう」

キョンテを10年間指導したヨンヒ氏によると、キョンテの長所は瞬発力と言います。ゆっくりしたテークバック、ゴルフスイングのテンポも速くはないものの、インパクト時のヘッドスピードだけが速い特徴があります。この瞬発力は先天的なキョンテの能力です。
低い弾道で軽いドローボールが持ち球ですが、2016年のスタッツ(6月20日時点)を見ると、今季のドライバーショットの平均飛距離は272.56ヤードで61位、フェアウェイキープ率は46.43%で98位とドライバーの安定感にやや欠けています。

それでも、平均ストロークは69.42、パーキープ率は88.68でともに2位と、アイアンショット、アプローチ、パッティングが安定していることを示しています。

ゆっくりなバックスイング、スイングのトップで一瞬の間から、ダウンスイングで自在にフェースをコントロール。スムーズな肩の回転で手首を使わないスイングは、インパクトでのフェース角度が一定しており、打ち出されたボールの方向性が優れています。

まったく前傾角度が変わらないままフィニッシュに移行していくスイングは、最後に体が「C」の形に収まる美しさを持っています。

アマチュアも参考にしたい、スイングチェックする際の3つの方法

キョンテ自身、自らのスイングをチェックする方法を3つ挙げています。

1、 アドレスの向き

目標方向に対し平行なスタンスをとるようにしていますが、徐々に右を向くクローズスタンスになる悪い癖があります。ラウンド中に修正するのは難しいので、練習場で1球1球確認して打っています。ラウンドでは、キャディさんに後ろからチェックしてもらい正しいアドレスか確認してから打っています。

アマチュアゴルファーの人にも同じ癖の人が多いでしょう。気がつかないで矯正しようとすると、スイングに悪影響がでます。仲間同士で後ろからチェックしてもらうのが大切です。

2、 グリップ

現在、飛距離を考えて軽いフックグリップにしています。ただ、試合終盤に力が入ってくると、強いフックグリップになってしまいます。左手の甲が正面を向いてしまい、右手のグリップ位置が下がってしまいます。

この癖を治すために、練習中は右手の親指と人差し指の間の線が自分の右肩を向くスクエアグリップにしています。ラウンド中に、いつもより力が入っていると感じたら、スクエアで打つようにしています。アマの方も、一つのグリップにこだわらず、自分の状態にあったグリップを試すようにするのが上達のヒントと思います。

3、 テークバック

スタンスの向きが右側に向いていくのと連動するのですが、これをスイングで修正しようとすると、テークバックで無意識にクラブをイン側に引いてしまうようになります。そうなると、スイングプレーンがズレてくるので、ショットが安定しません。

自分の理想はゆっくりしたリズムで手首を曲げず、アドレスを構えた形のまま体に沿ってクラブヘッドを上げていくスイングです。これも、一緒に回る人に後ろからチェックしてもらうと修正できます。

2016年の賞金ランキング2連覇へまっしぐらのキム・キョンテですが、それを裏付けるスイングの美しさ、独自のチェック方法がありました。アマでも、十分参考になりますね。うまくなりたかったら、早速試してみましょう。

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