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甲子園高校球児のスタイルがゴルフに最適!?

北海高校は創部115年、夏の甲子園出場37回は全国最多を誇ります。春の選抜では後の巨人・吉沢秀和投手、中日・谷木恭平外野手を擁したチームが1963年に準優勝しました。夏の大会では、今年過去最高の成績を残しました。

大会前の下馬評では名前が上がらなかった北海ですが、一戦一戦毎に強くなっていった戦いぶりが評判でした。決勝こそ5連投のエース大西健斗に疲れが見えて破れたものの、北海ナインの特長あるプレーが際立ったのです。

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最近の高校球児はプロ野球の影響もあってか、ホームランを打ったバッターは一塁を回ったあたりで片手を突き上げてガッツポーズが普通になりました。また、ピンチで打者を三振に切ってとった投手は、雄叫びと共にこぶしを突き上げるポーズも良く見ます。

ところが、夏の大会で北海ナインはプレー中にガッツポーズはもちろん、相手に向かっての雄叫びなど、目立って感情を表すことをしませんでした。

その理由を尋ねられた選手たちは、「点を取られたから、取ったからといって感情を表に出さないで試合を続けることが大事です。ホームランを打ったからといっても、まだ試合は続いているので冷静なプレーをすることを心がけています」と言います。

さて、ゴルファーの皆さん、思いあたることがありませんか?

ミドルホールのティーショットがフェアウェイど真ん中、それも220~230ヤードも飛び、残り140ヤード程度。パーはもちろんあわよくばバーディーも狙えます。

World Ladies Championship Salonpas Cup - Day 2

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あなたは思わずガッツポーズ(仮に心の中だけでも)。テンションはアゲアゲ、勢いこんで2打目を放つも大ダフリでチョロ。思わずカーッとなって3打目、今度はひっかけてグリーン左の深いラフへ。目の前が真っ暗になり、上がってみればトリプルボギー。「なんでこんなことに。ティーショットがもったいない」と後悔ばかり。

北海ナインに話を戻します。試合の中で、タイムリーで先制できても、無死満塁のチャンスに無得点で終わっても、感情のテンションを一定にしていることが彼らの強さです。喜ぶと気持ちは弛緩しがちで、落胆すると次のプレーに響きます。それを知っている北海ナインは9回最後まで試合の精度を高めることができるのです。

特にゴルフはスタンスからスイング、と「静」から「動」へ移る競技です。サッカーや野球は「動」の中でプレーします。テニス、卓球もプレーの合間に止まることはありますが、止まっているように見えても膝の屈伸や上体を揺らしているなどやはり「動」の中のスポーツです。

これに比べ、アーチェリー、弓道、ピストルなどはゴルフのスタンスと一緒で、フォームとして「静」から始まります。これらに共通するのは、メンタルの影響をとても大きく受けやすいことです。

筆者にシングルプレーヤーの先輩がいました。その方とラウンドした時、ティーショットで飛ばし、バーディーをとっても、「ナイショッ!」「ナイスバーディー!」と声をかけても、静かな声で「ども」と片手を軽くあげるだけでした。

ラウンド後、その先輩に「ラウンド中、どこが楽しいんですか」と尋ねると、「18ホールを終えてスコアを数え、ああ、きょうは80を切れた、と確認した時にフツフツと幸せを感じる」と言いました。この先輩にとって、プレーの精度を保つための素っ気なさでした。

もちろん、そんなゴルフじゃつまらない、ナイスショットをしたら喜びたい、というプレーもそれぞれの選択です。ただし、ゴルフでガッツポーズ、喜びの表現をして、その一瞬後に通常のプレーのテンションに戻れるのは、プロの中でも「超」のつくひと握りだけです。タイガー・ウッズ、セベ・バレステロスなどですね。

PGA TOUR - 2005 The Presidents Cup - Third Round

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北海高校野球部・平川敦監督はプレースタイルについてこんな話をしています。

「野球は1回から9回まであるので、一喜一憂することなく最終的にゲームで勝って喜び、嬉しさを感じなさいと言ってます。1つのプレーで一喜一憂してしまうと、それが油断、勘違いにつながってミスをして、3、4点という失点となってしまう。そこを、4点を3点、3点を2点という風に抑えられれば、中盤から終盤に2、3回チャンスが来ると思うので、その時に畳み掛けるようにと考えています。落胆して、あの時1点を防いでおけば、とならないように心がけていますね」

この言葉を、ゴルフに置き換えてみましょう。

「ゴルフは1ホールから18ホールまであるので、一喜一憂することなく最終的にゲームで勝って喜び嬉しさを感じるようにしています。1つのプレーで一喜一憂してしまうと、それが油断、勘違いになってミスをして、トリプルボギー、ダブルパーというスコアになってしまう。ダブルパーをトリプル、トリプルをダブルボギーという風に抑えられれば、中盤から終盤に2、3回チャンスが来ると思うので、その時に畳み掛けるようにと考えています。落胆して、あの時1打を縮めておけば、とならないように心がけていますね」。

どうです。まるで一流プレーヤーの名言みたいでしょ。野球とゴルフ、思わぬ共通点がありました。

あなたも1ホールから18ホールまで一喜一憂しないでプレーしてみてはいかがでしょう。