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今話題の田村尚之プロのモットーは「がんばらない」!?独自のゴルフ理論とは?

今、話題になっている田村尚之プロ。その経歴はまったくの異色です。田村尚之プロは、広島県廿日市出身で身長172センチ、体重65キロ。現在も会社勤めをしながら、シニアツアーに参加しています。

もともとゴルフを始めたのは父親の影響で3歳から。中学時代に関西ジュニアで優勝と、才能がありながら、中学、高校と進学校に進んだため勉学を優先させ、ゴルフとは一時離れました。

東京理科大工学部に入学後も競技には出場せず、卒業後に大手のマツダに入社。社会人3年目になってからアマチュアとして競技ゴルフ生活を再開しました。広島県アマチュア選手権で優勝すると、会社の理解もあって有休を利用し1990年から日本アマチュア選手権に出場、2012年まで23年連続出場しています。

日本アマチュア選手権では2005年から2年連続ベスト4、日本ミッドアマチュア選手権は2002年から2連覇と、トップアマとして活躍しました。特に2007年の日本アマチュア選手権は石川遼が出場して注目され、決勝に当時43歳の最年長で進出。惜しくも2位でしたが、その存在が注目されました。

遅咲きのプロデビュー

倉本昌宏と一緒にラウンドしたのがきっかけで、倉本からプロテスト受験を熱心に勧められます。「1回だけ受けて落ちたら周りはあきらめてくれるだろう」と、2013年8月に受験したプロテストで見事合格。49歳にしてプロ転向しました。

親族が経営する鉄鋼関係の会社で2001年から勤めていましたが、プロ入りしてもサラリーマンゴルファーを続けました。それでも、50歳となった2015年のシニアプロツアーで未勝利ながら賞金ランク5位。52歳になった2016年の富士フィルムシニアチャンピオンシップでは最終日6打差を逆転し、プロになって初タイトルを獲得したのです。

現在の所属は取引先の株式会社ダイクレとスポンサー契約を結んでいます。

まさに我流のゴルフ理論

これまでゴルフをコーチに教わったことはなく、まったくの自己流。ゴルフのポリシーは「無理せず、苦労せず、がんばらなくてもゴルフは上手くなる」

練習もしません。アマチュアの時から、ラウンドは月に1回。ラウンド前の練習もしないし、冬は寒いからとプレーしません。それでもドライバーの飛距離で300ヤード近く飛ばしてしまうのは、田村プロ独特のスイング理論を持っているからです。

その田村理論がはっきりわかるのが、ドライバーのアドレスです。一般的に、正しいアドレスはボールは左足かかと線上、グリップはハンドファーストに構えます。ところが、田村プロのアドレスはボールの位置はスタンスのほぼ中央。グリップも右寄りにしたハンドレイト、シャフトが地面に対して直角と、まるでアイアンショットのアドレスです。

このアドレスのポジションはアプローチでも一緒です。初めて田村プロのドライバーアドレスを見た人は、「この人、初心者で大丈夫?」と思うでしょう。ところが、ここに田村理論があります。

スイングのシンプルを極める

田村プロのドライバーアドレスの考え方はシンプルです。インパクトでもこのアドレスの位置を再現すればクリーンヒットする、という考えです。

一般的なアドレスは、左足寄りのボールに対してハンドファーストに構えるので、右肩が前に出てしまいます。そのため身体が開いた状態になりやすくなります。また、左側にあるボールを見てしまうと、スイングで身体が突っ込んだり、スウェーしやすくなってしまいます。

田村理論はインパクトでアドレスを再現する、とのシンプルなスイングを目指した結果でした。ボールを払うような打ち方になりますが、現在のクラブはダウンブローを意識しなくても、ロフト角やシャフトの改良でボールは高く上がってくれます。

田村プロのスイングをまとめると、

1、アドレスはかかと体重
2、ボールはスタンスの真ん中、グリップ位置は身体の中心より右
3、前傾姿勢は浅く
4、コックを使ってバックスイング。その軌道はアウト気味にあげ、ダウンでプレーンに
(前傾姿勢が浅いので、この軌道になります)
5、切り返しは上体のひねりを強く意識しない。左脇の筋肉を使い右ひじは背中側
6、インパクトで左手を止め、右手のスナップを使うイメージ
7、ベタ足スイング

田村プロによると、クラブフェースにボールを乗せて運ぶ、というイメージのスイングを勧めています。インパクトで右手首を柔らかくスナップするように使い、フォローでは左手首が甲側に折れ曲がって行きます。右手は素早く返すのではなく、インパクトは点ではなく線で捕らえるとの意識です。

この右手をこねるようなスイングは一般的に悪いスイングと言われています。しかし、田村プロのスイングは「右手スナップ」です。トッププロでも、フレッド・カプルスやビジェイ・シンが用いています。実際に田村プロのスイングは、シンプルにクラブを振っています。

田村プロのクラブセッティング

なんとフェアウェイウッドの「ナイキゴルフT-40ツアー」は、すでに15年ほど使用しているとのこと。アイアンも5年、パターも7~8年とか。道具を大事に使うのはアマ時代からの習慣のようです。

ドライバーのシャフトXanaduは自らが監修し、スイング中に加速を感じるキレが特徴です。

1W:TRPX D-013 ドライバー ロフト角8°シャフト:TRPX Xanadu/X/長さ45.5インチ)
3W:ナイキゴルフ T-40ツアー FW ロフト角13°
5W:ナイキゴルフ T-40ツアー FW ロフト角19°
ユーティリティ:キャスコ スーパービックハイテン TARO ロフト角20°
4I~PW:ヤマハ インプレスX Vフォージド ツアーモデル
W:フォーティーン DJ-11 ウェッジロフト角52°ロフト角57°
P:オデッセイ ブラックシーリーズiX 2-BALL

(注)プロは頻繁にクラブ調整を行うため、実際使用するギアセッティングとは異なる場合があります。

現代の超一流プロにも通じる田村理論

田村プロの理論で現代のトッププロと同じ考え方があります。それは、ドライバーショットでもボールはスタンスの真ん中に置き、グリップはハンドレートとしてスイングしますが、大事なのは「その場でコマのように回転する」との部分です。

これは右足から左足への体重移動でパワーをボールにぶつける考え方ではありません。松山英樹やロリー・マキロイ、ジャスティン・トーマスなどのスイングと同じ考え方なのです。

超一流プロらは、右足から体重移動する動きを左足を伸ばしてブロックすることで、ヘッドスピードを上げるスイングをしています。まさに、コマに例えるならばコマの軸の位置を動かさず遠心力を挙げてヘッドを早くする考え、まさに「その場でコマのように回転する」ことなのです。

田村プロのスイングでは左足の伸ばす意識はなさそうですが、まさにその場でコマのように回転するのはヘッドスピードを上げるのに理にかなった考えです。サラリーマンゴルファーとして、練習漬けにならなくてもシンプルに技術向上方法を考えたのが田村理論のようです。

田村プロの著書「田村流“あきらめる”ゴルフ」(ゴルフダイジェスト社)も話題になっています。田村プロによるゴルフレッスン動画もあります。

まさにスイングをシンプルに考え、分析することで生まれた田村理論。確かに、がんばらなくても上達できるんだったら!アマチュアならチャレンジしたくなるスイング理論です。

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