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バンカーレーキの正しい置き方はあるの?~簡単ゴルフルールとマナー講座~

ゴルフのラウンドで自分のボールがバンカーに入ってしまうと、それまで調子よくプレーしていたのに突然崩れてしまうことがありますよね。

一度で脱出できればまだキズは浅いですが、ダフってしまったり、アゴに当たってしまったりして、2度3度さらには4度と同じバンカーで打つ羽目になってしまうと、もう動揺が止まりません。やっと脱出できた時には、早くその場を離れたくてガシガシとバンカーを均し、バンカーレーキを放り投げて逃げるようにバンカーから遠ざかる…なんて事態に。

こんな苦い経験のある方の中には、バンカーに恐怖心を抱いているゴルファーも少なからずいらっしゃると思います。

ただ、こんな時でもバンカーレーキはきちんと置いてその場を離れたいものです。バンカーレーキの置き方で、そのゴルファーのマナーが窺い知れてしまうこともあるからです。

そうはいっても、バンカーレーキってどこに置くのが正解なのでしょうか。ゴルフ場によってバンカーの外に置いたり、中に置いたりしていますが、どちらが良いというのはあるのでしょうか。このように意外と、バンカーレーキの置き場所や置き方に困っている方もいらっしゃるのではないかと思われます。

そこで今回はバンカーレーキの正しい置き方についてレクチャーしたいと思います。これであなたも上級マナーのゴルファーになれるかも?

バンカーレーキはバンカーの外?それとも中?

正式な『ゴルフ規則』の中に、バンカーレーキの置き方に関する指定のようなものはないのですが、これとは別にゴルフ規則の公式な解釈を集めた『ゴルフ規則裁定集:第3章プレーについての規則/その他』の中に、このような記述があります。

レーキの置き所については完全な回答というものはないが、結局のところ、レーキをバンカーの外に置いておけば、プレーヤーにとって得になることも少ない代わりに、損になることも少なそうに思われる。~中略~これらのことをいろいろと検討した結果、レーキはなるべくバンカーの外側で、球の動きに影響を与えることのなさそうな場所に置いておくようにすることを勧める。いずれにせよ、どこにレーキを置いておいてもらいたいかを決めるのは、最終的には、委員会マターである。

つまり、バンカーレーキをどこに置くかは委員会(ゴルフ場の判断)次第ではあるのですが、外側に置く方が良いのではないかという推奨意見です。では、なぜそのような見解になるかをさまざまな置き方のメリット・デメリットを考えながらまとめてみましょう。

バンカーの外側に置いた場合のメリットとデメリット

まず、バンカーレーキをバンカーの外側に置いた場合のメリット・デメリットを考えてみましょう。

バンカーの外に置くということは、飛んできたボールがバンカーレーキに当たって方向が変えられるという可能性が出てきます。つまり、バンカーレーキに当たってバンカーに入ってしまったり、逆にバンカーに入りそうだったボールがバンカーに入らずに済んだりするということです。この点ではメリットにもなり、デメリットにもなり得ると言えるでしょう。

しかしバンカーの中にバンカーレーキが存在しないため、バンカー内の環境に変化を与える心配はありません。こちらの点ではフェアな環境を提供できていますので、メリットと言えるのではないでしょうか。これらが前述の『ゴルフ規則裁定集』の「プレーヤーにとって得になることも少ない代わりに、損になることも少なそうに思われる」という見解の中身になります。

それでは次にバンカーの中に置くケースを考えてみましょう。

バンカーの中に置いた場合のメリットとデメリット

バンカーの中にバンカーレーキを置いた場合ですが、バンカー内にバンカーレーキがあれば、フェアウェイやラフに飛んできたボールの方向をバンカーレーキが変える心配はほとんどありません。この点においてはメリットのみが考えられます。

しかし、いざバンカーにボールが入ってしまった場合、たいていはバンカーの法面(側面)に立てかけるようにバンカーレーキを置くために、本来バンカーの平面なところまで転がっていくはずだったボールが、バンカーレーキによって止められてしまう可能性が出てきてしまいます。

バンカーレーキ自体は『動かせる障害物』ですから取り除くことは出来るのですが、それでも平らな地点よりはるかに難しいバンカーショットを要求されることが考えられます。また、この『動かせる障害物』の処置も、例えばボールが動いてしまった場合に同じ位置にリプレースすることが困難であったり、バンカー内に適当な位置を見つけにくくなってしまったりということが予想されます。

このような点から、バンカー外(ラフやフェアウェイ)に及ぼす影響はほとんどなくとも、バンカー内のトラブルを増幅させてしまう恐れがあるという点で、デメリットが大きいと思われるというのが『ゴルフ規則裁定集』の見解のようです。

バンカーの中央にバンカーレーキを置いた場合

実はもうひとつのバンカーレーキの置き方が「バンカーの中央に置く」というやり方です。これはバンカーの外に置くデメリットも、バンカーの中に(法面に立てかけて)置くデメリットもありませんので、非常にフェアな置き方ではあります。

しかし、最大のデメリットは「バンカーレーキを使いにくい」ことです。ボール地点とは異なる位置にバンカーレーキを取りにいかなくてはならず、さらに均し終わった後にバンカーレーキを放り投げて置かなくてはならないのです。これではバンカーの砂を均さなければならない面積が増え、また、放り投げることによってのバンカー表面のダメージも考えられます。場合によっては有効ですが、残念ながら最適な置き方とは言えないでしょう。

結局、バンカーレーキの置き方はゴルフ場の判断に任せられている

このようにバンカーレーキの置き方にはそれぞれメリットとデメリットが混在し、一長一短です。またゴルフ場によってバンカーの形状には大きい/小さい、深い/浅いなどの特徴があり、それぞれに望ましい置き方が違う可能性もあるのです。

ですから、最終的にはそれぞれのゴルフ場に判断を委ね、規則に沿った見解として一応、「バンカーの外」を推奨しているということなのでしょう。

バンカーの外に置く場合のおすすめの置き方

推奨されている「バンカーの外に置く」場合にも、一定のマナーがあります。

それは、
①進行方向とバンカーレーキの柄を同じ向きに揃える
②フェアウェイ・花道側にはなるべくバンカーレーキを置かないようにする
③バンカーの法面(側面)の低い場所(バンカー進入箇所)に置く
になります。

こうした配慮があれば、後続のプレーヤーが不利益になるような事態を最小限に防ぐことが出来、尚且つバンカーへの損傷も少なくて済みます。焦っていてもこうした心配りが出来れば、あなたもグッドゴルファーですよ。

おわりに

今回はバンカーレーキの置き方に焦点を当ててみましたが、いかがでしたでしょうか。

プレー中に変な場所にバンカーレーキがあって「邪魔だなぁ」と感じたことや、実際にバンカーレーキに当たって、とんでもない場所にボールが止まってしまったという経験をお持ちの方は多いと思います。

「なんでこんな場所にバンカーレーキが置いてあるんだよ!」と思うこともありますよね。そんな経験をお持ちの方は、是非あなたの後ろのプレーヤーの為に、少しでも良いと思われる場所にバンカーレーキを戻してあげてください。

「自分のような辛い思いをしないように」とバンカーレーキを置く心配りは、きっと次回あなたがプレーする際にも返ってくると思いますよ。

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