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前人未到の16年連続日本一!ゼクシオに隠されたヒットの法則

海外ゴルフメーカーの取材に行くと、必ず言われることがある。それは、日本のゴルフ市場は「特殊である」ということだ。

ある大手メーカーの開発担当は、さらに具体的に「日本にはゼクシオがあるから」とも言っていた。確かに、どの国のゴルフ市場にも、流行の移り変わりがある。昨年まではA社のドライバーが売れていたけど、今年はB社のドライバーが好調というように。

しかし、日本においては2000年以降『ゼクシオ』が16年連続で売り上げナンバーワンブランドとして君臨しているのだ。なぜ、ゼクシオは売れ続けるのか。そこには、開発に携わる人たちに継承されている、ゼクシオの哲学があったのだ。

初代から変わらない開発テーマは「飛距離・打ちやすさ・爽快感」

ダンロップ01

初代ゼクシオ誕生から開発に携わるダンロップスポーツの大西章夫氏に話を聞いたとき、こんなことを言っていた。

「ゼクシオの企画目標はいつも同じです。飛ぶ、打ちやすい、そして爽快な打球音。新しいモデルを開発する上で、いつもゼクシオにはこの目標があります」と。

それはもちろん、「ゼクシオ9」にも継承されている。昨年10月、東京ドームホテル・天空の間で開催された「ゼクシオ9新製品発表会」においても、木滑和生社長は冒頭挨拶でこんな言葉を語った。

「ゼクシオは発売以来、一貫して変えない部分を確立して開発を続けてきました。それは飛距離、方向性などの目に見える部分であり、爽快感、打ちやすさという感性に語りかける部分です」

変わらない部分がある。それこそがゼクシオならではの魅力である。

通常、新モデルの開発とは、前モデルを変えることにある。しかし、ゼクシオには明確に変えない部分がある。それでいて「前作を超える」ことに全力を注いでいるのだ。

長年、開発に携わった大西氏はこうも言っていた。「企画書の話をすると、最初に書いてあることは“前モデルを超える”ということです」

7代目以降は“スイング軌道”を重視

ダンロップ02

変わらない部分を残したなかで、ゼクシオがいかに進化してきたか。特に最近の「ゼクシオ7」以降は、スイング軌道に焦点を絞ってきている。

「ゼクシオ9」でも“軌道は力だ”というキャッチフレーズに表現されているように、力強い軌道を叶えるドライバーとなっていたのだ。発表会の会場では、社長に続いて登壇したクラブ開発部長の森山氏が言葉を続けた。

「ゼクシオ9の特徴は手元重心化した新シャフト、そして重量アップしたヘッドによって、同じスイングであってもヘッドスピードが上がるようになったことです。その結果、従来モデルと比べても5.5ヤードの飛距離アップを実現しました」

発表会から2ヶ月後の12月5日に全国一斉発売された「ゼクシオ9」は初週から驚異的な売り上げを記録し、それは前作「ゼクシオ8」を上回るロケットスタートだった。その好調な売り上げには、新しく追加したシャフトが大きく貢献していたのだ。

予想を超えていた「miyazaki」の需要

ダンロップ03
ダンロップ04

9代目となる「ゼクシオナイン」には、新しいラインナップがあった。それは通常の「ゼクシオナイン」に加え、「ゼクシオナイン miyazakiモデル」を同時にリリースしたことだ。

この「ゼクシオナインmiyazakiモデル」は、レギュラーモデルよりもやや重いシャフトを採用したことで、クラブ総重量が約22グラム重くなった、いわば“アスリートのためのゼクシオ”である。

実は今年2月のゴルフフェアの会場でも、多くのゴルファーはこの「miyazaki」に注目していたのだ。これについて、ダンロップスポーツのゴルフ事業部企画部課長・北村恵一氏に話を聞くと、

「当初は正直、レギュラー9に対してミヤザキ1かなと思っていたのが、実際はミヤザキモデルのニーズも高く、発売3ヶ月の時点ではレギュラー7:ミヤザキ3くらいの割合です。前作「ゼクシオ8」の売り上げと比べると、レギュラーシャフトだけの売り上げは前作と同じくらいで、それに『miyazaki』シャフトが上乗せされたことで3割増くらいにはなっています」

と語ってくれた。そうなると新しいユーザーを獲得したことになるのだが、北村氏はゼクシオの一貫性について強調した。

「もちろん今回は、ミヤザキシャフトに注目が高かったことは嬉しい驚きでした。しかし、今後もゼクシオがターゲットユーザーを変えることはありませんし、常に開発目標は“飛び・やさしさ・打球音”ということです」

初代から9代目まで、16年以上を経過しても変わらない部分を持ち続けることで、ゼクシオはゼクシオユーザーから信頼されるブランドとなったのだ。それでいて、今回の「miyazakiモデル」のように、新しい魅力もある。

王者でありながら、進化を続ける。だからこそ、ゼクシオは売れ続けていくのだ。

【ゼクシオ9ドライバー】

ヘッド体積:460㎤
ロフト角:8.5、9.5、10.5、11.5、12.5度(一部特注対応)
ヘッド素材:チタン(フェース)、8-2チタン+SUSウェイト(ボディ、クラウン)
クラブ長さ:45.5インチ
クラブ総重量:272グラム(R)
価格:8万8000円+税

【ゼクシオ9 miyazakiモデルドライバー】

ヘッド体積:460㎤
ロフト角:8.5、9.5、10.5度
ヘッド素材:チタン(フェース)、8-2チタン+SUSウェイト(ボディ、クラウン)
クラブ長さ:45.5インチ
クラブ総重量:299グラム(S)
価格:8万8000円+税

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